第99号 2005・12・20

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今日は、99号です。今日は、116条の解説です。

今日も分かりやすい条文ですし、以前から何回か説明している話です。

すぐに理解してもらえると思いますので、頑張っていきましょう!!

▼▼ 第116条(無権代理行為の追認) ▼▼▼

追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ず。ただし、第三者の権利を害することはできない。

■■ 解説 ■■

今までにも無権代理行為がなされた場合でも、本人は追認することができるということを説明してきました。

その追認をした場合の効果を定めているのがこの116条です。

本人が追認をすると、別段の意思表示をしていない限り、無権代理契約がなされた時点に遡って効力が発生します。

例えば、無権代理契約が2005年4月1日になされたとします。

その後、2005年5月1日に本人が追認した場合、5月1日に契約は有効になるのではなく、4月1日から契約は有効だったことになります。

とすると、その間の1ヶ月間の間に何らかの利害関係を有する人が登場する可能性がありますよね。

遡って効力が発生するとなれば、その1ヶ月間の間に利害関係を有するに至った人の利害を害する可能性があります。

その人を害する場合には効力は契約時まで遡らないというのが但書きの規定です。

ただ、この但書きが実際に適用される場面と言うのはほとんどないようですので、あまり気にしないでください。

とにかく、追認があれば、契約時まで遡って効力が発生するということです。

■■ 豆知識 ■■

116条は無権代理がなされた場合の追認の規定ですが、他人の物を自分の名前で売ったような他人物売買の場合にもこの116条は類推適用されます。

例えば、甲さんの土地を乙さんが買ってに「自分の土地です。」と言って丙さんに売ってしまった場合、当然、人の土地を勝手に売っているわけですから、甲さんは土地を引き渡す必要はありません。

しかし、甲さんは116条類推適用によりこの契約を追認することができるのです。

■■ 編集後記 ■■

今日の116条はわかりやすかったと思いますが、但書きと豆知識は難しかったと思います。

ただ、さきほどもいいましたが、あまり気にしなくてもかまいません。

発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/

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