第97号 2005・12・17

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今日は、97号です。今日は、114条の解説です。

今日は、わかりやすい条文ですので、すぐに理解してもらえると思います。

さっそく始めようと思ったのですが、その前にすごい宝石を見つけました!!

タンザナイトという宝石で、世界に数個しかないらしいのですが、値段が3億8000万円です。

しかも、この店なんと2億60万円の福袋も発売しています!

こんなものを売っているということは、何人かでも買う人がいるのでしょうね。

世の中わけのわからないことが多いです(^O^)

せっかくですから、写真だけでも見てみてください。

なんせ、3億8000万円ですからね。

第114条(無権代理人の相手方の催告権)

前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

■■ 解説 ■■

この114条は、無権代理人の相手方の催告権を定めた条文です。

前条の場合というのは113条のことですが、無権代理の規定でしたよね。

例えば、Aさんの車を、Bさんが勝手に「Aさんの代理人のBです。」と言って、Cさんに売ってしまったような場合です。

このような場合、代理権がないわけですから、当然この契約の効果はAさんには帰属しません。

こんな契約は、Aさんが追認しない限り無効です。

このように考えると、Aさんが追認すれば有効、Aさんが追認しなければ無効、という不安定な法律関係になってしまいます。

つまり、契約が有効なのか無効なのか、わからない状態がいつまでも続くわけです。

Cさんからすると、車の引渡しを請求できるのか、できないのか分からない状態になってしまうわけです。

本人は追認しないだろうと思っていて、車の引渡しを請求せずに放っておいたら、ある日突然、Aさんが追認するということも考えられます。

Cさんからすると、「追認するのか、しないのかはっきりしてくれ!」と言いたくなりますよね。

そこで、規定されたのが、この114条なのです。

無権代理の相手方であるCさんは、本人であるAさんに対して、追認するかどうかを確答するように催告することができるのです。

ただ、「今すぐ決めろ!」というのはAさんにかわいそうなので、相当の期間内に答えてください、という一定の時間を与える必要はあります。

それで、Aさんが追認すると契約は有効になります。

反対に、Aさんが追認しなければ契約は無効に確定します。

また、Aさんが期間内に何も答えなかった場合も追認を拒絶したとみなされて、契約は無効に確定します。

このように無権代理がされた場合の相手方の不安定な地位を確定するために、催告権を認めたのが114条です。

■■ 豆知識 ■■

少し細かいので、気にしなくてもいいのですが、法律系の資格試験や公務員試験には出題されますので、一応紹介しておきます。

この催告権は、契約が無権代理であることについて悪意の者でもすることができます。

■■ 編集後記 ■■

最初にも紹介しましたが、宝石に何億という金を使う人がこの日本にもたくさんいるのでしょうね。 

世界第2位の経済大国であるということをこんな事で実感しました。

これだけの経済大国が国際社会で名誉ある地位についていないということは、外交が上手くいっていないというのが最大の原因なのでしょう。

小村寿太郎は素晴らしい外交官だったみたいですが、今の日本には立派な外交官がいないのでしょうか。

耐震偽装問題のニュースを見ていると情けなくなってきます。

これは私の持論ですが、人間と動物の違いは「誇り」を持っているかどうかではないかと思っています。

格闘技のPRIDEが、その「誇り」から取ったらしいのですが、PRIDEを運営している会社の是非はさておき、プライド・誇りを持ち続けるというのが大事だと思います。

姉歯建築士が、「1級建築士の誇りがあるので、最初は断っていた」と言っていましたが、この世の中のみんながそれぞれの仕事に対して誇りを持っていれば、素晴らしい世の中になるのでしょう。

誇りを持っていなければ、動物と代わらない!

自分が実践できているかどうかはわかりませんが、これが私のモットーです。

発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/

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