第91号 2005・12・3
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。今日は、91号です。
どうでしょうか。
表見代理の説明に入っているのですが、理解していただけているでしょうか。
今回も、表見代理の説明です。
表見代理には3つの形態があると言いましたが、今日は、その2つめの紹介です。
さて、今日も頑張っていきましょう!!
第110条(権限踰越の表見代理)
前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
■■ 解説 ■■
さて、前回は、授権表示による表見代理ということで、代理権が全くないのに、代理権を与えた旨の表示をした場合の規定でした。
今回の110条は、代理人に代理権は一応あるのですが、その代理権の範囲を超えた行為をした場合です。
当然、代理権の範囲を超えている行為をしているのですから、代理は無効で、無権代理となります。
でも、ある一定の要件があれば表見代理が成立します、というのがこの110条です。
さて、110条が成立するための要件をまず説明します。
1、基本代理権が存在すること
2、代理人が代理権を逸脱した行為をしたこと
3、代理権ありと相手方が誤信し、かつ、そう信じるにつき正当な理由があること(善意無過失)
ここで、また具体例をあげます。
本人Aさん、代理人Bさん、相手方Cさんとします。
Aさんは、自分の家を売る代理権をBさんに与えました。
そして、Bさんは、家を売る代理権しかないにも関わらず、勝手に土地まで売ってしまいました。
そして、Cさんは、Bさんに家と土地を売る代理権があると善意・無過失で信用していました。
さて、この場合どうなるでしょうか。
この場合、代理人であるBさんは、代理権を逸脱した行為をしていますので、当然、代理は無効となり、無権代理となります。
しかし、相手方であるCさんからすれば、Bさんが代理権があると思って信用して取引したにも関わらず、常に無効となれば、あまりにもかわいそうですよね。
取引安全を害します。
そこで、110条が規定され、一定の要件を充たすと表見代理が成立することにしたわけです。
さきほどの事例で、110条の要件と充たすか検討していきましょう。
まず、Bさんには、家を売る権限はありますので、1基本代理権があります。
次に、Bさんは、その代理権を逸脱した行為をしていますんで、2の要件も充たします。
そして、相手方であるCさんは、善意・無過失で信用していますので、3の要件も充たします。
したがって、さきほどの事例では、110条の表見代理が成立し、土地を売るという売買契約の効果は本人であるAさんに帰属することになります。
こうなると、Aさんがかわいそうですよね。
でも、Aさんは、そんないい加減なことをするBさんなんかを代理人に選任したから悪いんですね。
そんな不誠実な人を選んだ本人より、信用した相手方を保護しましょうというのが、この110条です。
■■ 豆知識 ■■
今日の豆知識も難しいのですが、法律系の資格試験にはよく出題されますんので、受験を考えている方は、そのまま覚えてしまってください。
受験に興味のない方は、無視してください。
この110条の表見代理が成立するには、基本代理権があることが必要だということはさきほど説明しました。
ただ、何でもかんでも代理権があれば、それが基本代理権になるというわけではありません。
そこで、2つの判例の結論を紹介します。
1、印鑑証明書下付申請行為は公法上の行為ですので、その権限は基本代理権になりません。
2、登記申請についての権限は基本権限になります。
難しいですが、判例がこう言っているので、覚えてしまってください。
■■ 編集後記 ■■
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