第82号 2005・11・14

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今日は、103条の解説です。

103条は、それほど問題のない条文なのですが、知識としては重要な条文ですので、そのまま覚えてしまってください。

法律系の国家試験にはよく出題されますので、もし資格を取得することを考えている方がいましたら、必ず記憶してしまってくださいね。

第103条(権限の定めのない代理人の権限)

権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
1、保存行為
2、代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

■■ 解説 ■■

本人が代理人に対して、代理権を授与する場合、ある特定の代理権が与えられることが通常です。

例えば、車を自分の代わりに買ってきてもらうための代理権とか、携帯電話を自分の代わりに買ってきてもらうための代理権とか、代理権の範囲が決まっていることが多いのです。

しかし、時には、代理権があることは明らかなのであるが、その範囲が不明の場合や、代理権の範囲が何ら定められていないこともあります。

そのような場合を補充するのがこの103条ということになります。

つまり、代理権の範囲がわからないような場合には、1号の保存行為と2号の権利の性質を変えない範囲での利用・改良のみを代理人はすることができます。

保存行為や、権利の性質を変えない範囲での利用・改良行為でしたら、本人に対してもそれほど影響が少ないので、それくらいだったら代理人がしても問題ないので認められています。

■■ 豆知識 ■■

保存行為の具体例:家屋の修繕、消滅時効の中断(時効は難しいので144条くらいで説明します。)

利用行為の具体例:銀行に現金を預金すること

改良行為の具体例:無利息の貸金を利息付に改めること

改良行為とは、財産の経済的価値を増加させる行為のことをいいます。

■■ 編集後記 ■■

試験に合格するには、それなりに戦略が必要です。

特に国家試験、国家資格ともなるとやみくもに勉強すれば合格できるというものでもありません。

反対に言えば、特に能力に関係なく、戦略とコツさえつかめば試験というものは合格できるということです。

これは私の意見だったのですが、周りの人たちと話をしていても、共感してくれる人がたくさんいます。

試験に合格するには、コツがあります。

これは真実です。

発行:株式会社シグマデザイン
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