第73号 2005・10・6
■■ はじめに ■■
おはようございます。今日は、95条錯誤についての解説をしたいと思います。
さて、最近ぽポッドキャスティングというのが流行っています。
サイト上で、いろいろな音声による情報が配信されていて、それをダウンロードして、自分のipodやウォークマンなどに入れて、いつでも聞くことができるというものです。
英語や、小説などを音声でダウンロードすることができるので、通勤中やちょっと空いた時間に、ipodやウォークマンで聞いて勉強できるのです。
最近は、ipodやウォークマンもすごい進化で、ほんとに小さくて、音楽にして、1000曲くらい入る物もあります。
私が、買おうとしているのは、ソニーのウォークマンです。
これを買って、ポッドキャスティングで英語の勉強をしようかな、と考えています。音楽も聴けるし、すごいです。
▼▼▼ 第95条(錯誤) ▼▼▼
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
■■ 解説 ■■
これも難しい条文です。
全てを解説するといつまでも終わらないくらいの量があるので、まずは、基本的なことだけを説明したいと思います。
まず、95条は錯誤に関する規定です。
錯誤は「さくご」と読みます。
どういう条文かというと、また具体例を上げて説明したいと思います。
ある日、木村さんはパン屋さんに行きました。
そして、たくさんのパンが並んでいる中から、おいしそうなカレーパンを見つけました。
そこで、木村さんは、カレーパンを買おうと思って、「カレーパンをください。」と言おうと思いました。
しかし、木村さんは間違えて、「メロンパンをください。」と言ってしまいました。
さて、この時、木村さんとパン屋さんとの間には契約が成立するのでしょうか。
木村さんがどう思っていたかということは、誰にもわかりませんよね。
つまり、パン屋さんはメロンパンだと思っているし、木村さんもメロンパンと言っています。
ということは、メロンパンの売買契約が成立することになりそうです。
でも、木村さんはメロンパンが欲しいわけではなくて、カレーパンが欲しいわけです。
このように、思っていることと、表示したことが、食い違っていて、それに本人が気づいていないことを錯誤といいます。
もっと難しく、法律用語で言うと、内心的効果意思と表示上の効果意思に不一致があり、それを表意者が認識していないこと、と言います。
そして、95条本文は、「錯誤があったときは無効とする」としています。
つまり、この事例でも、メロンパンの売買契約は成立しないことになります。
これは、木村さんを保護するためですよね。
もし、売買契約が有効ということになれば、木村さんは欲しくもないメロンパンを買わなければならないことになります。
このように錯誤があった場合には、間違って言った人がかわいそうだから、無効としたわけです。
でも、ここで一つ問題があります。それは、パン屋さんがかわいそうだ、ということです。
どういうことかというと、パン屋さんは、木村さんが、「メロンパンをください。」と言ったから、メロンパンを用意したわけです。
にもかかわらず、契約は無効だということになると、パン屋さんからすれば、たまったものじゃないですよね。
「そんなこと知るか!」と言いたくなるでしょう。
そこで、95条但書きは、パン屋さんを一定の場合に保護することを定めているのです。
95条但書、は、表意者に重過失があったときは、無効を主張できない、と規定しています。
表意者、つまり、木村さんですよね。木村さんが言い間違えたのが、木村さんの重過失による場合、簡単にいえば、木村さんの、重大なミスによって、いい間違えてしまったような場合には、木村さんは無効を主張することはできなくなるのです
要するに、とんでもないミスで、言い間違いをするような人よりも、相手方、つまりパン屋さんを保護しようということです。
このように、95条も、本文と但書きで、両者の調整を図っているのです。
言い間違えてしまった場合は、契約を無効にして、木村さんを保護しましょう。
でも、その言い間違いが重大なミスによる場合は、契約は有効として、パン屋さんを保護しましょうということです。
■■ 豆知識 ■■
95条は、表意者を保護するための規定です。
さきほどの事例で言えば、木村さんを保護するための規定です。
ですから、無効を主張することができるのは、木村さんだけです。
パン屋さんから無効を主張することはできません。
■■ 編集後記 ■■
今日も難しかったと思います。
ある程度、95条というのがどういうものか、ということが分かっていただければ、それで十分かと思います。
さっきのポッドキャスティングの話と関連するのですが、このメルマガでも、メールによる文字だけでなく、音声による解説もしていこうかなと検討中です。
私が、解説を講義というほどたいしたものではないですが、音声で解説したものを、サーバーにアップして、それをみなさんが、ダウンロードして聞くというわけです。
それをすると、ダウンロードした後ipodやウォークマンに入れて通勤・通学中に聞いてもらうことができるかなと思いまして。
といっても、まだどうなるかわかりませんでの、あまり期待しないでください。
そうなってくると、やっぱり小さくて、自由に音声データをやり取りできるipodやウォークマンが大活躍するんですよね。
やっぱり、ウォークマン欲しいですね。
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
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