第66号 2005・9・27
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。今日は、88条です。今日は、言葉の説明をすることになります。
法律用語はほんとに難しいのですが、今日の言葉はおそらく聞いたこともない人がほとんどだと思います。
とりあえず、2つだけですので、今日出てくる言葉は覚えてしまってください。
▼▼▼ 第88条(天然果実及び法定果実) ▼▼▼
1項
物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
2項
物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。
■■ 解説 ■■
天然果実、法定果実、2つのよくわからない言葉が出てきました。
別にフルーツのことではありません(笑)
難しいことを言ってもわかりにくいので、具体例を上げます。
天然果実の具体例:牛乳、野菜、石炭、卵
法定果実の具体例:家賃、利息
だいたいイメージがついたでしょうか。
牛を、その用法に従って収取できるもの、つまり、牛を飼っていて収取できるものそれは牛乳ですよね。
これを天然果実といいます。
家という物を使用してその対価として発生するもの、つまり、大家さんが家を貸してその対価として発生するもの、それは、家賃ですよね。
これを法定果実といいます。
■■ 豆知識 ■■
ちなみに、果実を生じる物を元物(げんぶつ)といいます。
牛や家は元物ということになります。
■■ 編集後記 ■■
昨日の、問題を考えましたでしょうか。
簡単な解説をします。
まず、従物の要件を確認します。
〜従物の要件〜
1、継続的に主物の効用を助けること
2、主物に付属すると認められる程度の場所的関係にあること
3、主物と同一の所有者に属すること
4、独立性を有すること
まず、刀身と鞘の事例に、要件をあてはめてみます。
1、鞘は、抜き身だと危険なので、刀身を保護するものとして継続的に、効用と助けています。→要件充足
2、鞘は刀身にかぶせてありますので、当然、付属すると認められるだけの場所的関係にあります。→要件充足
3、鞘と刀身は同じ所有者が持っています。→要件充足(仮に所有者が異なる事例であれば、この要件は満たしません)
4、鞘は、刀身と別々の物ですよね。→要件充足
よって、鞘は刀の従物ということになります。
次に、車とバイクの事例です。
1、バイクは、別に車の効用を助けているという関係にはありません。バイクが無くても 車には何の問題もありません。→要件を欠きます。
この時点で、バイクは、車の従物ではないということになりますが、一応他の要件も検討しておきます。
2、これは、置いてある場所によりますが、通常は別々の場所に置いてあるでしょう。→要件を欠きます。
3、バイクと車の所有者は同じです。→要件充足
4、バイクは、独立した物ですよね。→要件充足
よって、1,2の要件を欠きますので、バイクは車の従物ではないということになります。
どうでしょう?みなさんの考え方と同じだったでしょうか。
全部の要件を正確に判断できた方は、素晴らしいです。
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
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