第54号 2005・8・24

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。さて、今日は第54号です。今日もはりきっていきましょう。

今日は、63条、64条、65条、66条と一気に見てしまいましょう。

といっても、今回も、あまり問題ないので、さらっと読み流して終わりです。

この辺りの条文はほんとに楽です。

第63条(社団法人の事務の執行)

社団法人の事務は、定款で理事その他の役員に委任したものを除き、すべての総会の決議によって行う。

第64条(総会の決議事項)

総会においては、第62条の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

第65条(社員の表決権)

1項
各社員の表決権は、平等とする。

2項
総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によって表決をすることができる。3項前2項の規定は、定款に別段の定めがある場合には、適用しない。

第66条(表決権のない場合)

社団法人と特定の社員との関係について議決をする場合には、その社員は、表決権を有しない。

■■ 解説 ■■

特に解説するまでもない条文ばかりです。

法人の手続きについての規定なので、読んでもらえれば理解できると思います。

ただ、一つだけ、66条に関連して説明をしたいと思います。

66条は、法人と特定の社員の関係についての議決をする場合には、その社員は議決権を有しないと規定しています。

これは、なぜだか分かるでしょうか?

これと同じような規定が、民法にはいくつかありますし、他の商法などの法律でもあります。

このような規定があるのは、なぜかというと、いわゆる利益相反になるからです。

つまり、法人と自分との関係についての議決に、自分が参加できるとすれば、自分に有利になるように議決するに決まってますよね。

そんなことになれば、独裁の危険があるし、他の社員の利益を害することになります。

そこで、公正に議決が行われるようにするために、そういう議決には参加できないとしているのです。

■■ 豆知識 ■■

また、108条のところで説明しますが、108条も66条と同じような趣旨だと思われます。

一応、参考までに、108条を紹介しておきますので、どういう意味か考えてみてください。

108条 (自己契約及び双方代理)
同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

ちなみに、難しいので聞き流していただければいいのですが、この108条に反して、自己契約又は双方代理がなされた場合には、その契約の効果は「無効」ではなく、「無権代理」になると解されています。

■■ 編集後記 ■■

今日は、雨が降ってだいぶ涼しくなってきました。

いよいよ夏も終わりですね。

今年の夏は全く夏らしいことをしていなかったのですが、それにしてもやっぱり、夏が終わると寂しい気分になります。

夏は、早く冬にならないかなぁと思うし、冬は早く夏にならないかなぁと思うし、どっちもどっちなのですが、四季があるっていうのは、いいですよね。

常夏もいいですけど、四季があるっていうのは、ほんとに素晴らしい環境だと思います。

■■ おすすめの本 ■■

だいぶ以前に、「名もなき道を」という本を探していたのですが、どこの書店に行っても見つかりませんでした。

司法試験受験生の主人公が、20回、司法試験に受験して不合格になったという話で、最後には、死んでしまうという話らしくて、しかも、それが実話だったので、プライバシー権侵害か何かで裁判になって差し止められたらしいのです。

はっきりと、覚えていないのですが、確かそんな感じの本だったと思います。

とにかくそういういわくつき本なので、どこに行っても手に入れることができませんでした。

憲法の判例をしっかり勉強している人なら、「名もなき道を事件」の名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんが。それで、先日、偶然にアマゾンで探していたら、何と「名もなき道を」が売っているのです!!

思わず、注文してしまい、本日届いたのですが、これから時間のある時に読んでみようかと思っています。

また、後日感想を紹介したいと思います。アマゾンには、まだ何冊かあるようなので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/

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