第52号 2005・8・18
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。さて、今日は第52号です。今日もはりきっていきましょう。
今日は、58条、59条の紹介です。
今回も、あまり問題ないので、さらっと読み流してください。
ただ、豆知識の部分は大事なことを書いていますので、少し時間がかかるかもしれませんが、しっかりと読んでいただくことを強くおすすめします。
▼▼▼ 第58条(監事) ▼▼▼
法人には、定款、寄付行為又は総会の決議で、一人又は数人の監事を置くことができる。
▼▼▼ 第59条(監事の職務) ▼▼▼
監事の職務は、次のとおりとする。
1、法人の財産の状況を監査すること。
2、理事の業務の執行の状況を監査すること。
3、財産の状況又は業務の執行について、法令、定款若しくは寄付行為に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、総会又は主務官庁に報告をすること。
4、前号の報告を報告するため必要があるときは、総会を招集すること。
■■ 解説 ■■
法人の代表者である理事は、非常に広範な権限を有しているということをずーっと説明してきました。
その理事が権限を濫用しないように、その監督機関として、監事を設置することができるということを定めたのが、58条です。
そして、その監事ができる職務の範囲を59条が定めています。
監事というのは、監督機関のようなもので、株式会社でいうところの「監査役」みたいなものです。
■■ 豆知識 ■■
民法に限らず、法律を読む時は、一語一語、必ず正確に読むようにしてください。
例えば、今日の58条ですが、最後の語尾に注目すると「〜置くことができる。」となっています。
決して「置かなければならない。」とはなっていないのです。
つまり、監事という機関を設置するかどうかは自由なのです。
すなわち、監事というのは任意機関にすぎません。
法律では、このように、必要的なのか、任意的なのか、ということがうまく使い分けられていますので、注意しましょう。
一応、他の条文を参考までに上げておきます。
また、後日その条文が出てきたときにしっかりと説明しますので、今日は、軽く読み流しておいてください。
418条債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
722条2項被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
この2つの条文は、両者ともいわゆる「過失相殺」に関する条文です。
418条は、契約関係において債務不履行があった時の条文。
722条2項は、不法行為に関する条文です。
不法行為というのは、車で追突されたら、相手に金を請求できますよね。
実は、その時の根拠となっているのが、民法上の不法行為という条文なのです(709条以下)。
ですから、事故って相手に金を請求する時の、きっちりとした法的な根拠は、「不法行為に基づく損害賠償請求権」といいます。
まぁ、ほとんどの場合保険会社が全部処理してくれるので、こんな事知っている必要はないのですが、知っていて損はないといくらいです。
それはいいとして、2つの条文の語尾に注目してください。
418条は「〜定める。」722条2項は「〜定めることができる。」となっています。
もうお分かりですよね。
418条の過失相殺は、「必要的」なのに対し、722条2項の場合の過失相殺は「任意的」なのです。
くわしい説明は、その条文の説明をする時にしますので、お楽しみに。。
■■ 編集後記 ■■
今日は、豆知識が少し長くなってしまいましたが、法律の勉強をする上で極めて大事なことを説明しました。
ぜひ、参考にしてください。
■■ おすすめの本 ■■
今日は、せっかく民法の勉強をしているので、民法のおすすめの本を紹介したいと思いま す。
東大教授の内田先生の民法という本です。
全部で、4冊あるのですが、今このメルマガで 紹介している条文は、「総則」という部分にあたります。
ですから、もし購入されるので したら、1を買ってくださいね。
なぜ、この本を紹介したかというと、今までの法律の本というのは、そこそこ勉強が進ん でいる人が読めば非常に深いことが書いてあり、素晴らしいのですが、初学者の人が読む と全く理解できないという本ばかりでした。
しかし、この内田先生の本は、わかりやすく解説するということにこだわった本で、かつ 内容も最先端の問題点まで書いてあり、とっても充実しています。
東大の教授がが一般の人にもわかりやすく書いてくれた本ということで非常に有名な本で す。
たぶん、民法の勉強をしたことのある方なら、知らない人はいない、というくらい有 名な本です。
ほんとにわかりやすいです。
もし、このメルマガを読んでいてもう少し深く民法の勉強が したい、という方がいれば、この本をおすすめします。ほんとにわかりやすいです。
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
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なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。
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