第332号 2009・7・11
■■ はじめに ■■
みなさん、こんにちは。前回で、第2編の物権編が終わりました。
今日からは、第3編の債権に入ります。こういう節目の時には、必ず一度、民法の全体の体系を六法の目次で確認しておいてくださいね。
今、自分が勉強しているのは、民法全体の体系の中でどこに位置づけられているのかを常に確認することが大事です。
たぶん民法の中では一番売れている内田先生の本でもいいですし、予備校のテキストでもいいですし、何でもいいですから目次を全部暗記してしまいましょう。
そして、その覚えた体系と民法の条文の体系を比較することができれば、民法全体の体系をマスターすることができると思います。
それができた後に、個々の論点が体系の中でどこに位置づけられているのかを一つずつ確認しながら判例の結論とともに潰していきましょうね。
それでは、さっそくはじめていきましょう。
▼▼▼ 第399条(債権の目的)▼▼▼
債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる。
■■ 解説 ■■
まず、399条の条文の解説に入る前に、債権と物権の違いをもう一度再確認しておきましょう。
債権とは、特定人(債権者)が特定人(債務者)に対して一定の財産上の行為を請求することを内容とする権利です。
対して、物権は、物を直接的・排他的に支配する権利をいいます。
そして、物権には、かかる権利内容を実現するために直接性と排他性が認められ、それらが侵害された場合には、物権に基づく妨害排除請求をすることができます。
債権には直接性や排他性がないので、物権のような妨害排除請求というのは認められていません。
ただ、不動産賃借権だけは賃借人の地位を保護するために、物権化傾向が認められており、対抗要件を備えた不動産賃借人には不動産賃借権に基づく妨害排除請求が認められるのです。
まだ詳しくはやっていませんし、賃借権の部分で解説しますが、不動産賃借権に基づく妨害排除請求が認められるのかという論点は、債権と物権の基本的な理解がなければ問題の所在が分からないのです。
つまり、601条以下の賃借権というのは、「第3編債権」の中に位置づけられていることから分かるように、あくまで債権なのです。
ということは、直接性も排他性もないので、妨害排除請求できないのが原則なのです。
ただ、賃借人保護の観点から不動産賃借権については物権化傾向が認められ、債権であるにも関わらず、対抗要件を備えることができたり、妨害排除請求まで認められるという話なのです。
このように、債権と物権という基本的な部分を理解していないと、それぞれの論点がよくわからないということになりかねませんので、この機会に、もう一度しっかりと債権と物権の基本を復習しておいてください。
さて、今日の条文の解説に入ります。この条文は、それほど気にする必要はありません。
金銭に見積もることができない給付も債権の目的とすることができるということを規定しているだけです。
要するに、経済的な取引行為以外の約束であったとしても、法律的な拘束力が認められるという原則を規定しているのです。
例えば、お坊さんがお経をあげたり、夜9時以降はピアノを弾かないというような、一般的には金銭的価値がないものでも、債務として法律的拘束力が発生するということです。
■■ 豆知識 ■■
今日は、特にありません。
■■ 編集後記 ■■
前にも紹介しましたが、渡辺健介さんという「世界一やさしい問題解決の授業」という本で有名な方がいます。
その渡辺さんが新しく「自分の答えのつくりかた」という本を出されました。
イェール大学、マッキンゼー、ハーバードMBA、デルタスタジオ社長という輝かしいキャリアの方ですが、その競争に勝ち続けてきた自分の経験を基に、問題解決の方法や意思決定の方法を紹介されています。
この問題解決能力と意思決定力というのは、受験勉強だけでなく、あらゆる場面で活用することができます。
私自身、渡辺さんのこれらの本を読んで急成長しました。
勉強や仕事だけでなく、人生すべてにおいて役立てることができる能力です。
ほんとにおすすめの本です。
ぜひ、読んでみてください。
↓世界一やさしい問題解決の授業
↓自分の答えのつくりかた
それでは、次回もお楽しみに!!
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
日本で実施されている資格を調べるには資格キングをご利用下さい。
なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。
(裏編集後記)
受験生におすすめの在宅アルバイト。簡単な文章を入力するだけでお小遣い稼ぎができます。文章を書く訓練にもなって一石二鳥のお仕事です。
明日は、UFC100です。それを見るために、WOWOWに申し込みました。
日本で活躍していたシウバ、ミルコ、ショーグン、ノゲイラなどがことごとくUFCで負けています。
柔道金メダリストの石井慧も、UFC一本で行くと言って、渡米したものの、デビュー戦は国内でやるとのこと。
詳しくは知りませんが、今の実力ではUFCに相手にしてもらえなかったのではないかと思います。
とにかく、それほど厳しい世界なのがアメリカです。
どのジャンルにしても、アメリカには化物のような人間がゴロゴロしているようです・・・。
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