第274号 2007・7・24
■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんは。今日は、民法347条の解説です。
ただいま、夜中の3時ですが、今日は発行すると決めていたので、頑張って書きました。
まぁ、そんなことはどうでもいい話ですから、本題に入ります。
347条は、質権の留置的効力を規定した条文で、今までにすでに解説した部分がほとんどですので、すぐに理解していただけると思います。気楽に行きましょう!!
それでは、さっそくはじめていきましょう!!
▼▼▼ 第347条(質物の留置)▼▼▼
質権者は、前条に規定する債権の弁済を受けるまでは、質物を留置することができる。ただし、この権利は、自己に対して優先権を有する債権者に対して対抗することができない。
■■ 解説 ■■
質権には、留置的効力があるということは、今までにも何回か解説してきたと思います。
そのことを規定した条文です。
いつも具体例で解説しているように、みなさんがロレックスの腕時計を質屋さんに持っていって5万円を借りたとします。
その場合、みなさんは5万円を返さなければ、ロレックスの腕時計を返してもらえないわけです。
だから、必死になって返済しようと努力するわけです。
反対に、質屋さんからすれば、ロレックスの腕時計を留置することによって、債務の弁済を促すことができるわけです。
これが留置的効力です。
ちなみに、留置的効力の内容については、350条で留置権の規定が準用されていますので、留置権の復習をバックナンバーでしておいてください。
ただ、留置権と異なる点が1点あります。留置権の場合、留置権者は誰に対しても留置権を主張することができます。
留置権は、物権だから当然です。物を直接的・排他的に支配する権利というのが、物権の定義でしたよね。
しかし、質権の場合は、重ねて設定されることがあり得るのです。
前回の解説では、分かりやすく解説するために、質権の場合二重に設定されることがあり得ないと言い切ってしまいましたが、厳密にいうとあり得ます。
ただ、そのようなことはほとんどあり得ませんので、深く考えなくてもいいだろうと思います。
質権は、占有改定によっては成立しないということを344条で解説しました。
しかし、指図による占有移転によっては成立するので、二重に設定されるということは論理的にはあり得るのです。
その場合、自分より優先する者には対抗することができないということになり、それを規定しているのが、但し書きということになります。
留置的効力によって、債務者に心理的圧迫を加えて、間接的に債務の履行を実現させようとするのが趣旨で、この点は留置権の留置的効力と同じなのですが、但し書きの存在がある点で留置権とは異なるのです。
■■ 豆知識 ■■
今日は、豆知識は特にありません。
■■ 編集後記 ■■
本文については、簡単に理解できたと思いますが、但し書きが少し難しかったと思います。
ただ、質権が二重に設定されるというのは、ほとんどないと思いますので、基本的には、前回のメルマガで解説したように考えていただいてかまいません。
「質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない」と規定している345条や、344条の要物契約性との整合性がよく分からないという方は一度じっくりと考えてみてください。
〜ヒント〜
1、344条の「引渡し」に含まれないのは占有改定だけ。
2、「引渡し」には4種類ありましたよね。
3、345条に関して、判例・多数説は、対抗力喪失説を採用している。
以上の3点を考えれば、論理的な整合性は取れるはずです。
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
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なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。
(裏編集後記)
受験生におすすめの在宅アルバイト。簡単な文章を入力するだけでお小遣い稼ぎができます。文章を書く訓練にもなって一石二鳥のお仕事です。
今月は携帯電話を使うことが多くて、通話料がかなりの額になってしまいました。
用事がある時は、ほとんどスカイプで会話をするので、通話は無料というのが感覚としてあるんですよね。
携帯電話の通話料で、何千円とか何万円とか払うのってもったいないです。
日本全国にワイヤレスLANを設置して、スカイプのような機能を携帯電話に取り入れれば、携帯電話の通話料も無料にできるんでしょうね。
そういう時代が来てほしいものです。
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