第213号 2006・10・10
■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんわ。今日は、民法266条と267条の解説です。
今回、解説する条文は単に地上権について、他の規定が準用されるということだけですので、簡単に説明して終わりたいと思います。
さて、私たちは、法律という高度な学問を勉強しているわけですが、法律も所詮は、人間関係をよくするための道具にすぎないのです。
つまり、結論がさきにありきで、法理論というのは、後付にすぎないのです。
結局、人間関係を築く能力、コミュニケーション能力が一番大切な能力なんだろうと思います。
これは、恋愛に関してもそうですよね。別に、頭が賢いからといって、もてるわけではありません。
コミュニケーション能力のある人間がもてるのだと思います。
それでは、はじめていきましょう!!
第266条(定期地代の支払い)
1項
第274条から第276条までの規定は、地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合について準用する。
2項
地代については、前項に規定するもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。
第267条(相隣関係の規定についての準用)
前章第2節第2款(相隣関係)の規定は、地上権者又は地上権者と土地の所有者との間について準用する。ただし、第294条の規定は、境界線上工作物が地上権の設定後に設けられた場合に限り、地上権者について準用する。
■■ 解説 ■■
さて、この条文だけ読んでも理解することはできないと思います。
単に、準用する条文が規定されているにすぎません。
ですから、この条文とあわせて、準用されている条文を確認する必要があります。
まず、266条についてですが、地上権者は当然、地代を支払う必要があります。
そして、その地代に関しては、民法274条から276条までの規定が準用されます。
274条から276条というのは、永小作権についての規定で、まだ解説していないので今は、分からなくてもかまいません。
永小作権というのも物権の一つで、後ほど解説しますので、そのときにチェックしておいてください。
さらに、2項は、それ以外に関しては賃貸借の規定を準用すると規定しています。
前回も解説しましたが、賃借権と地上権というのは、債権と物権という違いはあるものの、実質的な内容はそれほど変わらないことが多いのです。
ですから、賃料に関しては、賃貸借についての規定が準用されているのです。
次に267条ですが、これは以前に解説した所有権についての相隣関係についての規定が準用されるということを規定しています。
地上権は、所有権の次くらいに強力な物権であるので、相隣関係については、所有権の規定が準用されているのです。
前章第2節第2款(相隣関係)の規定というのは、六法を見て分かるようにしてほしいのですが、条文でいえば、209条から238条までのことを指しています。
■■ 豆知識 ■■
地上権は、他人の土地を利用する権利という意味で、賃貸借に内容がかなり近いものです。
ですから、賃料に関して、賃貸借の規定が準用されているのです。
また、地上権は強力な権利で、その意味では、所有権に近い性質を有しています。
ですから、所有権に規定が準用されているのです。
■■ 編集後記 ■■
物権の解説は、あまりなじみがないと思いますので、イメージしにくく理解しにくいかもしれません。
ただ、民法においては、物権はすごく大事な部分ですので、頑張ってください。
民法は、膨大な条文があり、しかも、このようにいろんな所で準用されています。
最初は大変だとは思いますが、この準用されている関係を理解することができれば、民法の理解が一気に広がります。
ぜひ、くじけずについてきてくださいね。
発行:株式会社シグマデザイン
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(裏編集後記)
受験生におすすめの在宅アルバイト。簡単な文章を入力するだけでお小遣い稼ぎができます。文章を書く訓練にもなって一石二鳥のお仕事です。
北朝鮮の核実験で、1ドルあたり120円になりそうです。
しばらく、アジア情勢が不安です。
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