第178号 2006・6・21
■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんわ。今日は、民法201条の解説です。
今日は、夜中の配信になってしまいました。
今までに占有の訴えの3つの類型について解説してきました。
占有の訴えは、いつでも自由にできるかというと、そういうわけではありません。
期間による制限があるのですが、それが今日解説する民法201条です。
さて、最近は会社法の勉強をしています。かなり大きな改正があったということで世間は騒いでいますが、本質はそれほど変わっていないので、そんなに騒ぐことはないのかなという感じを受けています。
ちなみに、会社法の講義を倍速で聞いています。
1回3時間の講義なのですが、倍速ですので90分で終わることができます。
かなり、効率的に勉強することができるし、倍速で聞くと頭の回転が速くなるそうです。
速読や速聴が流行っていますが、頭の回転を早くしたいという思いはみんな共通のようですね。
第201条 (占有の訴えの提起期間)
1項
占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後1年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から1年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
2項
占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書きの規定を準用する。3項占有回収の訴えは、占有を奪われた時から1年以内に提起しなければならない。
■■ 解説 ■■
さて、さっそく解説ですが、特に解説することはありません。
今までに解説してきた、占有の訴えの3つの類型の提起期間の制限が規定されているだけです。
特に難しいことが書いてあるわけではないので、条文を読めば理解することができると思います。
民法は占有の訴えを認めていますが、占有の訴えが期間制限なくいつまでも提起することができるというのは少し不都合ですよね。
もう決着がついたと思っていたのに、何十年後かに突然訴えられたというのでは、困りますよね。
これは、消滅時効と同じような考え方によるものだと思います。
■■ 豆知識 ■■
細かい話ですが、今回は解説することがあまりなかったので、少し細かめの知識も紹介しておきます。
ある物が侵奪者から悪意の特定承継人に移転された場合、その者に対する提訴期間も最初に侵奪者が占有を侵奪した時から起算することになります。
つまり、悪意の特定承継人に移転されると、その時点で0からまたスタートするわけではないということです。
ここに、悪意の特定承継人と言っているのは、善意の特定承継人が出現した場合は、そもそも占有の訴えができなくなるからでしたよね。
忘れた方はバックナンバーを参考にしておいてくださいね。
■■ 編集後記 ■■
抽象的で、イメージしにくくて、わかりにくい占有権の解説も、もうすぐ終わりです。
206条からは、所有権の解説になるので、占有権よりは理解しやすいと思いますので 、もう少しがんばりましょうね!!
ここで、もう一度民法のどの部分を解説しているのかを確認しておきます。
占有権というのは物権ですので、175条から始まる民法第2編の物権編の中の占有権 の部分を解説しています。
個別の条文ばかりを見ているのではなくて、時々大きな視点で、今自分がどこの勉強を しているのかということをしっかりと意識しておいてくださいね。
司法試験界のカリスマ講師である伊藤真先生も、同じようなことを述べられています。
伊藤先生は、本の目次をコピーして、常にそのコピーで自分が全体の中のどの部分を勉強しているのかということを意識しながら勉強していたそうです。
ちなみに、伊藤先生は、つい先日、衆議院の日本国憲法調査特別委員会に参考人として 呼ばれて護憲派の立場からいろいろと意見を述べられていました。
衆議院のホームページで発言の様子が見れますので、興味のある方は見てください。
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
日本で実施されている資格を調べるには資格キングをご利用下さい。
なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。
(裏編集後記)
受験生におすすめの在宅アルバイト。簡単な文章を入力するだけでお小遣い稼ぎができます。文章を書く訓練にもなって一石二鳥のお仕事です。
速聴とか速読とか、頭の回転が速くなるという話を信じない人が多いですが、伊藤先生が言っている勉強法とかってほんとにやらないと損です。
同じ勉強をしていても、まったく伸び方が違いますからね。
そういう効率化をできる方法があるなら、貪欲に吸収すべきです。
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