第165号 2006・5・22
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。今日は、民法191条の解説です。
今日の民法191条も、比較的簡単な条文ですので、すぐに理解することができると思います。
特に難しいことは考えずに、条文を読んだそのままのことを理解していただけるとけっこうです。
民法と話は少し変わりますが、商法が大改正されて、新しく会社法という法律ができました。
商法はかなりの大改正が続いていたのですが、今回はほんとに大改正がされて、新しく会社法という法律までできてしまい、今月から施行されています。
それにともなって、有限会社が廃止されましたし、今までであれば、有限会社であれば300万円、株式会社であれば1000万円の資本金が必要だったのがその制限が完全に撤廃されました。
つまり、1円でも100円でも会社を作れるようになったのです。
第191条(占有者による損害賠償)
占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。
■■ 解説 ■■
さて、どうでしょうか?
この民法191条は条文を読めばだいたい理解できると思いますので、簡単な説明だけしたいと思います。
例えば、AさんがBさんの別荘を勝手に占有していたとします。
そして、Aさんのミスでその別荘の一部が壊れてしまったとします。
その後、真の所有者であるBさんが現れた場合の規定です。
この場合、Aさんが善意の占有者であった場合は、現に利益を受けている限度において賠償する義務を負うことになります。
つまり、壊れてしまった分の賠償責任は負わないということです。
反対に、Aさんが悪意の占有者であった場合は、損害の全部の賠償をする義務を負います。
つまり、壊れてしまった分についても、全部賠償しなければならないということです。
この規定も、悪意の占有者と善意の占有者で責任の範囲を変えている条文です。
それから、少し細かいのですが、但書きがあり、所有の意思のない占有者は、善意であっても、全部の賠償をしなければならないと規定されています。
所有の意思のない占有というのは、今までにも解説しているように自主占有ではないということです。
この理由も一応解説しておくと、所有の意思がないということは、いずれ物を返還しようという気持ちがあるわけです。
とすれば、自分の責任でその物を壊してしまった以上、その全部の責任を負わせてもそれほど酷とはいえないからです。
■■ 豆知識 ■■
ほんとに細かい話ですが、民法191条の中に出てきている「滅失」という言葉ですが、これは、物理的な滅失に限らず、第三者に譲渡して返還不能にしてしまったような場合も含みます。
「滅失」といえば、物理的に壊れてしまった場合だけのようなイメージがありますが、解釈で法律的な返還不能も含めて考えられているということです。
■■ 編集後記 ■■
今日の条文は、別に難しくはないのですが、何か抽象的で、イメージがつかみにくくて理解しきれないという感じがしたと思います。
でも、別にそれは気にしなくてもかまいません。
みんな同じです。
この条文自体が、少しややこしいものですから。
それから冒頭にも1円会社の話をしましたが、1円で作れるといっても、いろいろな手数料がかかりますので、ほんとに1円で作れるわけではないので注意してくださいね。
ただ、そうはいっても自分でちょっと勉強して、全部自分でやれば、30万円くらいあれば十分会社を作ることができます。
それでは、次回もお楽しみに!!
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