第152号 2006・4・2
■■ はじめに ■■
みなさん、こんにちわ。今日は、民法179条2項の解説ですが、内容としては、1項と同じですので、特にあらためて解説することはありません。
1項の解説をしっかりと理解できていれば、何の問題もなく理解することができます。
それでは、さっそくはじめましょう!!
▼▼▼ 第179条(混同) ▼▼▼
1項
同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
2項
所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3項
前2項の規定は、占有権については、適用しない。
■■ 解説 ■■
さて、1項は、所有権と他の物権が同一人に帰属した場合についての規定でした。
そして、2項は、所有権以外の物権とその他の権利が同一人に帰属した場合の規定です。
物権には、所有権をはじめ、地上権、抵当権などがあるわけですが、所有権以外の物権が同一人に帰属するということが当然あります。
その場合にも、権利を存続させておく意味がないので、権利は消滅します。
要するに、1項は所有権と他の物権の混同について定めた規定。
2項は、所有権以外の物権と他の物権の混同について定めた規定ということです。内容や趣旨は1項と同じです。
例えば、AさんがBさんの甲土地に地上権を設定していました。
そして、Aさんの地上権に対してはCさんの抵当権が設定されていました。その後、Cさんが、Aさんから甲土地の地上権を買い受けました。
まず、Aさんは甲土地に対して、地上権を有しており、Cさんは、その地上権に対して抵当権を有しているという状態です。
その後、CさんがAさんから地上権を買い取っていますので、Cさんは甲土地に対する地上権とその地上権に対する抵当権を取得することになります。
つまり、自分の地上権に対して、自分の抵当権が設定されているという状態です。
これは、意味がありません。
ですから、179条2項本文の混同によって抵当権が消滅します。
また、2項にも例外があって、1項但書きが準用されています。
つまり、その消滅する権利が誰かの権利となっていて、消滅させると誰かが損をするような場合には、混同は生じないということです。
これも、1項但書きの部分で解説したのと同じです。
■■ 豆知識 ■■
地上権というのは、所有権に似ている強力な物権で、他人の土地を自由に利用することができる権利です。
そして、この地上権は、他人に自由に譲渡することもできるのです。
地上権については後ほど出てきますので、そこでゆっくり解説しますが、この程度の知識はとりあえず覚えておいてください。
■■ 編集後記 ■■
いろいろな名前の物権が出てきますが、以前にも解説したとおり、物権法定主義があるので、数は限られています。
名前を聞いたら、だいたいの内容くらいは思い出せるようにはなりましょう。
次の、180条から一つずつの物権の解説に入っていきますので、もう一度、物権についの理解をバックナンバーを利用して深めておいてください。
それでは、次回もお楽しみに!!
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