第136号 2006・2・23
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。今日は、135号ということで、民法162条の解説です。
所有権の取得時効に関する解説になるのですが、非常に重要な条文ですので、しっかりと覚えてください。
特に、時効取得の要件はしっかりと記憶してしまってください。
この162条の要件は非常に重要ですので、慌てずに詳しく解説していきたいと思います。
それでは、さっそくはじめましょう!!
▼▼▼ 第162条(所有権の時効取得) ▼▼▼
1項
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2項
10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
■■ 解説 ■■
今までも、時効の解説はしてきました。
この162条からは、個別の時効制度についての規定です。
まず、この162条は所有権の時効取得を規定したものです。
まず、1項ですが、20年間他人の物を占有した場合に、その所有権を取得することができるという規定です。
そして、その要件として3つ必要です。
1、所有の意思を持った占有
2、平穏、公然
3、他人の物を占有すること
それでは、1つずつ解説していきます。
1、所有の意思を持った占有(自主占有)自分で所有する意思で占有していなければ、時効取得は成立しません。
そして、これは外形的・客観的に判断されます。
つまり、他人から土地を借りている場合は、所有の意思を持った占有とは認められません。
なぜなら、いくら他人から土地を借りて自分のためにする意思で占有していたとしても、それは行為者の主観的な問題であって、外形的・客観的に見れば自分で所有する意思で占有しているとは認められないからです。
常識で考えても当然ですよね。
例えば、みなさんがマンションを借りていたとして、20年間住み続けたから時効取得でマンションが自分の物になるなんてことはありませんよね。
所有権を時効取得するには、まず、自分で所有する意思を持った占有でなければなりません。
今日はここまでにしておきます。
要件を一つずつしっかりと検討していくということをしっかりと意識してください。
■■ 豆知識 ■■
所有の意思を持った占有のことを、「自主占有」といいます。
そして、さきほど解説した所有の意思を持った占有かどうかの判断は、客観的・外形的になされるというのは、判例ですので覚えるしかありません。
■■ 編集後記 ■■
少しずつ難しくなってきたと思いますが、頑張ってついてきてくださいね。
以前に解説したことを前提に解説をしているので、その前提の理解が不十分だと少し難しく感じると思います。
ぜひ、頑張ってバックナンバーを何回も読んでついてきてください。
できるだけ、私もわかりやすく解説するように頑張りたいと思っています。
それでは、次回もお楽しみに!!
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(裏編集後記)
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