第121号 2006・1・29

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。昨日、久しぶりに飲みすぎて、ちょっと頭が痛いです。

反省です・・・。

体調管理も自分の能力の一つです。

体調には十分に気をつけましょう。

特に、飲んでいる時は自己制御が難しいので、要注意です。

それでは、さっそくはじめましょう!!

▼▼▼ 第137条(期限の利益の喪失) ▼▼▼

次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
1、債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
2、債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
3、債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。

■■ 解説 ■■

前回、期限の利益について解説しました。

そして、期限の利益は自分の意思で放棄することができるということも解説しました。

この137条は、自分の意思で放棄する場合ではなくて、ある一定の事由が生じた場合に当然に期限の利益を喪失することを規定したものです。

これは、債務者に一定の事由が発生した場合に、期限の利益を奪って、債権者の保護を図るための規定です。

その事由として1号から3号まで規定されていますので、ひとつずつ紹介していきたいと思います。

まず、1号ですが、債務者が破産手続き開始の決定を受けた場合です。

例えば、Aさんが、Bさんに返済期限を1年後として100万円を貸しました。

この場合、Bさんは1年間100万円を返済しなくてもいいわけです。

しかし、1ヵ月後にBさんは破産してしまいました。

この場合、Bさんは当然に期限の利益を喪失して、今すぐに返済しなければならなくなります。

なぜなら、破産しているのに1年後まで、返済の請求をすることができなければ、債権者はあまりにも不利益を受けるからです。

破産しているのですから、すぐに取り立てないと、債権者は損をしてしまいます。

1年後まで待っていると間違いなく、1円も取り立てることができなるなるでしょう。

次に、2号です。

担保を滅失、損傷、減少させた場合です。

例えば、Aさんは、Bさんに返済期限を1年後として、1000万円を貸しました。

その際に、Bさんの家に抵当権を設定しました。

この場合に、Bさんが抵当権が付いている自分の家を潰してしまった場合などです。

このように、担保が滅失、損傷、減少した場合は、すぐに請求することができるようにしないと、債権者は不利益を受ける可能性があるので、期限の利益を喪失すると規定したのです。

本来、Aさんは、最悪の場合でも抵当権を実行して債権を回収できると思っていたのに、家が潰れてしまうと、抵当権も消滅してしまうので、できるだけ早く債権を回収する必要があるからです。

最後に3項です。

担保を供しないときですが、例えば、AさんがBさんに返済期限を1年後として、100万円を貸しました。そして、その際に、Bさんに保証人をつけることを要求していました。

にもかかわらず、Bさんがいつまで経っても保証人を付けない場合です。

これも、さきほどと同じ理由ですね。債権者を保護する必要があるからです。

少し考えればすぐにわかると思いますので、考えてみてください。

つまり、1号から3号まで規定されていますが、全部はじめに紹介した137条の債権者を保護するという趣旨が妥当するからです。

この137条の趣旨をしっかりと理解できていれば、全て分かるはずです。

趣旨を考えるというのは、ほんとうに重要です。

■■ 豆知識 ■■

2号に関してですが、担保の滅失、損傷、減少について、債務者の故意・過失は要しません。

つまり、債務者に過失がなかったとしても、期限の利益を喪失することになります。

■■ 編集後記 ■■

北海道の「白い恋人」というお菓子はおいしいですよね。

北海道でしか売っていないと思っていたのですが、楽天で売っているのですね(^O^)

楽天を利用すれば、全国のいろいろな物を食べることができます。

ほんとうに便利な世の中になりました。

自分で食べてもいいですし、バレンタインにもおすすめです。

それでは、次回もお楽しみに!!

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