第120号 2006・1・27

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。

毎日、ほんとに寒いです。

先日、行政書士試験の発表がありました。

この読者の皆様の中にも受験された方がいるかもしれません。

最近の行政書士試験は、ほんとに難しくなってきているみたいですね。

いずれにせよ、民法の勉強をしっかりとしておくと、資格を取るにせよ、そうでないにせよ、必ずどこかで役に立ちますので、頑張りましょう!!

第136条(期限の利益及びその放棄)

1項
期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。

2項
期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。

■■ 解説 ■■

136条は、内容自体はそれほど難しいものではないのですが、重要な条文ですので、覚えておきましょう。

特に2項は、よく使いますので、「こんな条文があった」ということくらいは覚えておいてください。

さて、解説に入りますがまず1項です。

期限の利益は、債務者のためのものと推定する、と規定されています。

期限の利益とは、期限が到来するまでの間、法律行為の効力の発生・消滅または債務の履行が猶予されることによって、当事者が受ける利益をいいます。

例えば、AさんがBさんに100万円を貸しました。

そして、返済日は1年後とする契約が締結されました。

この場合、Bさんは、1年間は100万円を返済しなくてもいいわけですよね。

この返済を1年間猶予されるという利益が期限の利益です。

そして、この1年間返済を猶予されるというのは、債務者であるBさんのためのものですよね。

これを規定したのが1項です。

いわば当然のことを確認したような規定です。

次に2項です。

期限の利益は放棄することができる、と規定されています。

さきほどの事例でいえば、Bさんは100万円を返済するのは、1年後でいいのですが、早く返済してしまいたいと思いました。

このような場合、Bさんは、1年間返済しなくてもいいという期限の利益を放棄して、今すぐに返済することもできます。

ただ、2項には但書きがあり、相手方の利益を害することはできない、と規定されています。

これは、どういうことかというと、先ほどの事例で、年12%の利息が付くことが契約の内容になっていた場合を考えてください。

Aさんとしては、1年後には12万円(100万円×12%)の利息が発生していますので、112万円の返済を受け取ることができたわけです。

しかし、1ヵ月後に返済された場合、利息は1万円(100万円×12%÷12ヶ月)しか発生していないので、101万円しか受け取ることができないことになります。

Aさんは、利息で12万円儲けることができたはずなのに、1万円しか儲けることができなくなってしまうわけです。

これでは、Aさんが不利益を受けますよね。

そこで、規定されたのが、2項但書きです。

つまり、期限の放棄を放棄して、いつでも返済することはできるが、利息は12万円全部払わないといけないということです。

結局、Bさんは、1ヵ月後に返済する場合であったとしても、112万円返済する必要がります。

■■ 豆知識 ■■

今日は、特に豆知識はありません。

2項の期限の利益は放棄することができるということをしっかりと覚えておいてください。

■■ 編集後記 ■■

今日は、利息の計算をしました。

簡単な計算なので、大丈夫だとは思いますが、これくらいの簡単な計算は、民法でもよく出てきますので、ちょっと考えてみてくださいね。

私は、VAIOのノートパソコンを使っていて、typeSという小さめのものなので便利なのですが、もっと小さくてハイスペックのtypeTに買い替えようかと考えています。

持ち運ぶのに便利ですし、ノートとは思えない性能です。

ソニースタイルで買うと自由にカスタマイズできるので、自分に合ったものを選べるのも魅力的ですね。

その分値段が高いのがネックですが。

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