第108号 2006・1・8

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今日も寒いですね。

死者も出ており自衛隊の出動まで検討されているほど、今年の寒さは異常のようです。

ほんとうにカゼを引かないようにしましょうね。

さて、今日は、昨日の続きで124条の2項と3項の解説をしたいと思います。

それでは、さっそく始めましょう!!

▼▼▼ 第124条(追認の要件) ▼▼▼

1項追認は、取り消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。

2項成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認することができない。

3項前2項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

■■ 解説 ■■

124条ですが、1項については昨日説明をしました。

2項は、成年被後見人についての規定です。

これも1項と同じで、成年被後見人の行為は取消すことができるのですが、その後に行為能力者になった場合には、その行為を追認して契約を有効に確定させることができます。

これを定めたのが2項です。

ただ1点だけ、説明する必要があります。

「了知したときは、了知した後でなければ」追認できないと規定されています。

つまり、自分のした契約が取消すことのできるものであるということを知っていることが必要なのです。

自分のした契約を取消すことのできるものであるということを知っているけど、あえてこの契約は有効にします、というのが追認なので、これは当然のことです。

次に、3項です。追認するには、1項では取消の原因となっている状況が消滅していることが必要で、2項では、行為能力者になっているこが必要だということは説明しました。

しかし、それらの者の法定代理人などが、追認する場合には、かかる要件は必要ありません。

例えば、未成年者Aが単独でバイクを売る契約をしました。

この契約は取消すことがでます。

そして、未成年者Aが追認するには、Aが成年になっていることが必要です。

しかし、未成年者Aに法定代理人のBがいたとします。

この場合、Bも追認することができるのですが、Bが追認する場合は、Aが成年になっている必要はないということです。

なぜなら、法定代理人は未成年者などの本人を補助するために存在するもので、追認する能力がはじめからあるからです。

このような理由で3項が定められています。

■■ 豆知識 ■■

1項には何も書いてないのに、2項には「了知」という言葉が出てきています。

じゃあ、1項の場合は本人が分かっていなくても追認することができるのかというと、やはりできません。

つまり、2項の「了知」という言葉は、成年被後見人について特別に必要とされているものではなく、例示的に書かれているだけです。

■■ 編集後記 ■■

了知については私も勘違いしていました。

ただ、調べてみたところ、特別の意味は無くて例示されているだけのようです。

こうやって、一つ一つ条文をしっかりと読んで考えていると、ほんとに自分の勉強にもなります。

ほとんど考えたことのないような、条文もありますので、いろいろと調べたりする必要があるので、おもしろいですね。

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