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第338号 第405条(利息の元本への組入れ)

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。

ついに政権交代が実現しました。内閣がどのようなメンバーで構成されるのかが楽しみです。

政権交代というのは、あらゆる分野に大きなインパクトを与えますので、少しずつ影響が出てくることでしょう。

当然、経済界にも影響があると思います。特に、官庁が許認可権を持っている業界に注目です。

例えば、総務省がらみの放送や通信の業界は、長年の閉塞状況が打開される可能性があるので、何社かはこれから業績が伸びていくであろうと思われます。

政権交代によって、業績を伸ばすであろう企業を探して投資すれば、数年で資産を増やすことができるかもしれませんよ(笑)

さて、今日は民法405条の解説です。この条文は、内容としては難しくないのですが、時々結論だけ知識として出題されることがありますので、覚えておいた方がいいと思います。

それでは、はじめていきましょう。

▼▼▼ 第405条(利息の元本への組入れ) ▼▼▼

利息の支払いが一年分以上延滞した場合において、債権者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる。

■■ 解説 ■■

この405条は、重利(複利)について規定した条文です。

まず、この405条は任意規定ですので、特約がある場合には、有効であり当然に重利(複利)は認められます。

つまり、この405条は、重利(複利)の特約がない場合についての規定ということになります。

重利(複利)についての特約が当事者間になかった場合、利息が発生していたとしても、その利息に対して当然にさらに利息が付くことはないということを規定しています。

利息が1年以上遅滞し、債権者から催告しても債務者がその利息を支払わないときに限り債権者は延滞利息を元本に組み入れることができるのです。

利息が元本に組み入れられるか否かで、債権額が大きく変わりますので、債権者と債務者の利益をバランスよく調整している規定です。

■■ 豆知識 ■■

アインシュタインが「人類最大の発明は複利である」と言ったことは有名です。

複利が適用されるかどうかで、どれだけの差が出るのでしょうか。例えば、元本100万円、年利10%で計算してみます。

複利の適用なしの場合、利息は年10万円(100万円×10%)です。それが10年ですから10年後には、総額が200万円(100万円+10万円×10年)になっています。

他方で、複利が適用される場合、1年目の利息は同じく10万円です。ここまでは同じなのですが、ここから大きく変わります。2年目は、利息の10万円が元本に組み込まれますので、元本は110万円になります。その110万円に対して10%の利息が付くので2年目の利息は11万円になります。

さらに11万円が元本に組み込まれますので、元本は121万円になりそれに10%の利息がつきます。これを10年間続けていくと総額は約260万円になります。

複利が適用されない場合と比べて、60万円くらいの総額が増えることになります。

■ 編集後記 ■

405条で複利の話が登場し、複利の力を理解できたかと思います。

この複利というのは、自分のお金を銀行に預けている人や、タンスに隠してある人には理解しにくいかもしれませんが、投資をしている人にはすぐに理解できると思います。

富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなるというのは複利の影響が非常に大きいのです。

さきほどは、元本100万円を年利10%で運用した場合の計算をしました。10年後には約260万円になるわけです。

複利の力は、時が経つにつれてその威力を発揮し、2次曲線を描いて上昇していきます。

20年後には、約670万円。30年後には、1750万円になります。

仮に現在あなたが30歳だとして、100万円持っているとします。もし、その100万円を30年間継続して、年利10%の複利で運用することができたとしたら60歳の時点で100万円が1750万円になっているのです。

日本人は長生きですから40年後の70歳でもまだ生きている可能性は高いでしょう。40年後には、約4500万円になっています。たった100万円がうまく運用すれば何もしなくても40年後には4500万円になるのです。

これが複利の強烈なパワーです。

したがって、できるだけ若い時期にできるだけ多くの元本を確保し、できるだけ高い年率で資産を運用することができれば、例え年収300万円の人でも、大金持ちになることが可能だということです。

ほとんどの人が頑張れば実現できるであろうシミュレーションとして、40歳くらいまでになんとか1000万円貯めて、それを30年間複利で年率10%で運用すれば70歳の時点で約1億7400万円になります。

これから日本で少し余裕のある安心した老後を送るには、退職時に1億円持っていることが必要と言われています。

さきほどのシミュレーションどおりにいくかどうかは別にして、できるだけ早い段階で多くの余裕資金を確保してうまく投資して運用し、それとは別にこつこつ貯金を続けて退職時になんとか1億円を確保しておきたいところです。

それでは次回もお楽しみに。

(裏編集後記)

最高裁判所裁判官の国民審査も同時に行われましたが、全員信任されたようです。

ただ、7%くらいの人に×を付けられた裁判官もいるようです。7%というのは約517万人に×を付けられたということになるようです。

これだけ多くの人に×を付けられた裁判官が最高裁判所にいるというのは、どうなんでしょうか?

関連条文

第339号 第406条(選択債権における選択権の帰属)(20092121)

第337号 第404条(20090505)

第337号 第404条(20090505)

第336号 第403条(20091818)

第335号 第402条 (金銭債権)(20091818)

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