第328号 民法 第397条(低動不動産の時効取得による抵当権の消滅)
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第328号 397条 2008・11・29
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■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんは。
株価や為替などが大変なことになっていて、これからますます状況は、悪化すると言われていますけど、こういう時は、株や外貨を買うチャンスでもあるのです。
実際に、世界一の投資家であるバフェットさんも、ニューヨークタイムスで「Buy American. I Am.」という記事を書いています。
また、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行を叩き潰したジョージ・ソロスも、少しずつ買いはじめているみたいです。
ジョージ・ソロスは、ユダヤ人であり、ご存知のように世界の大戦の影響で常に身を追われる立場にあった人です。
そういう過酷な運命を生きてきたジョージ・ソロスにとって最も大事なことは「どんな手段を使ってでも生き延びること」だそうです。
日本のような平和な国に生きている人間にとっては理解できないような強烈な思いがあるのだと思います。
私たち日本人が持っている道徳や価値観など全く通用しない世界で生きてきた人間から出てくる言葉なので重みがありますよね。
自分が生き残るために、世界の基軸通貨であったポンドが弱みを見せた瞬間を逃さずに攻撃をかけイングランド銀行を叩き潰しました。まさに、弱肉強食の世界です。
私たち日本人もそろそろ、「金=汚い」という道徳観・価値観を捨て去り、マネーに関する勉強をしなければならない時期にあると思います。
もし、FXであれば1万円くらいから為替をすることができます。少しずつファイナンス知識をつけていかないとこれからの時代を生き抜いていくことは難しいと思いますので、ぜひ興味のある方は、挑戦してみてください。
それでも失敗するのが怖いという方は、バーチャルFXというサイトで仮想のマネーでFXを体験することができます。
無料で楽しむことができますし、失敗しても仮想のマネーですので、リスクはありません。さらに、うまく仮想のマネーを増やすことができれば景品をゲットすることもできます。ノーリスク・ローリターンですが、遊びながら為替の勉強になると思います。
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それでは、前置きが長くなりましたが、はじめていきましょう。
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▼▼▼ 民法 第397条(低動不動産の時効取得による抵当権の消滅) ▼▼▼
債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。
■■ 解説 ■■
この397条は、取得時効の例外的な規定になります。
まず、原則論として、ある不動産を占有する者が、取得時効によってその所有権を取得した場合には、原始取得になりますので、その不動産上に存在していた権利は全て消滅して完全な所有権を取得することになります。
原始取得と承継取得の違いを少しだけ確認しておくと、原始取得というのは取得時効や民法192条で解説した善意取得などです。
つまり、誰かの所有権が消滅して、新しい人のところで全く新しい所有権がポッと生まれるというイメージです。
反対に、承継取得というのは、売買契約によって所有権を取得したような場合です。
ある不動産に抵当権などが付いていて、その不動産を売買契約によって取得した場合、その不動産の所有権を取得することができますが、さらにその不動産についていた抵当権などの権利もそのまま承継してついてくるのです。
つまり、取得時効によって不動産の所有権を取得した場合、これは原始取得になりますので、その不動産に抵当権が付いていたとしても、その抵当権は消滅して、完全にきれいな所有権を取得することができるのが原則なのです。
まずは、これが原則論です。
しかし、397条は、債務者と抵当権設定者について例外を規定しているのです。
債務者と抵当権設定者の場合は、その者が取得時効によって不動産の所有権を取得したとしても、抵当権は消滅しないと規定しているのです。
自分で借金などをして抵当権を設定した者が、あとでその不動産を自分で取得時効して「不動産を取得時効したから抵当権は消えましたよ。」と主張するのはあまりにも酷いですよね。
だから、自ら抵当権を設定した者や債務者本人については、抵当権の消滅は認めないという例外を規定したのです。
これが、397条です。
397条は、例外規定ですので、まずは原則論をしっかりと確認してくださいね。
192条の善意取得とか、承継取得・原始取得の意味が分からないという方は、バックナンバーで確認しておいてください。
→ https://www.mainiti3-back.com/archives/2006/05/post_170.html
■■ 豆知識 ■■
気付かなかった方はいいのですが、少し疑問を感じた方のために豆知識を一つ。
抵当権設定者が時効取得するような場合というのがあり得るのかという疑問があるかと思います。
確かに、取得時効を規定している162条には、「他人の」という文言があります。
しかし、判例は「他人の」とは例示にすぎず、自己物についても時効取得することができるとしました。
ですから、抵当権設定者もそれ以外の取得時効の要件を充たせば時効によって、所有権を取得することができるのです。
取得時効の要件も、バックナンバーで確認しておいてください。
→ https://www.mainiti3-back.com/archives/2006/03/post_142.html
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■ 編集後記 ■
この397条のような条文は、一見すると例外を規定しているような条文には見えません。
本文と但し書きに分かれている条文だと、本文が原則で但し書きが例外だということがすぐに分かると思うのですけど、そうじゃなくても必ず原則は何なのかということを自分で考える癖をつけておきましょう。
この条文の趣旨は何なのか?ということも。
とにかく、常に自分の頭で考えるということが大事です。
それでは、次回もお楽しみに!!
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管理人レイ
なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることがで
きません。
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(裏編集後記)
この金融危機は、まだまだ社会の変化の始まりにすぎないと思います。
これからどんどんグローバル化が進んでいきますし、日本の環境はまだまだ悪くなると思います。
ワーキングプアの人たちの人口が1000万人を超えています。
ワーキングプアの定義は、働いているにも関わらず年収が300万円以下という人だそうです。
確かに、日本では年収300万円以下といえば、家族を養っていくには厳しいのが現実です。しかし、1日1ドル以下で生活している人も世界にはたくさんいるわけで、そういう人たちにとってみれば、年収300万円というのは夢の世界なんですよね。
そして、グローバル化が進むにつれて、そういう人たちに就労の機会が与えられつつあります。
そういう人たちが増えてくる一方、私たちの取り分は減っていくということです。
日本やアメリカなどの先進国の中だけで考えると格差社会が広がっているけど、世界的な規模で考えれば、むしろ格差は是正されつつあるのです。
ほんとに、これからの時代を生き残るには大変な努力と覚悟がいると思います。
できるだけ早い段階からファイナンスに関する勉強をしておく必要があります。
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関連条文
・第333号 第400条 (特定物の引渡しの場合の注意義務)(20092626)
・第332号 第399条 (債権の目的)(20092626)
・第329号 民法 第398条(抵当権の目的である地上権等の放棄)(20091111)
・第326号 民法 第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)(20081313)
・第321号 民法 第392条(共同抵当における代価の配当)(20082424)
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