↓管理人のYouTubeチャンネルです。ぜひ、チャンネル登録をお願い致します。

第325号 民法 第394条(抵当不動産以外の財産からの弁済)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第325号 394条 2008・6・7
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

バックナンバーはこちら → https://www.mainiti3-back.com/

■■ はじめに ■■

みなさん、こんにちは。

久しぶりの配信になってしまいました。

それでは、さっそくはじめていきましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼▼▼ 民法 第394条(抵当不動産以外の財産からの弁済) ▼▼▼

1項
抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる。

2項
前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。この場合において、他の各債権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。

■■ 解説 ■■

民法394条は、抵当権者と一般債権の利益を調整している規定です。

抵当権者は、債務者に対する関係においては、抵当権を実行せずに債務者の一般財産に対して直接強制執行することもできます(394条1項)。

ただ、そうすると、抵当権を有しない一般債権者の期待を害してしまいます。

これでは。いまいちわからないと思いますので、具体例をあげて解説します。

例えば、Aさんが甲さんに対して500万円の債権を有しており、その債権を担保するために甲の家(価額:400万円)に対して抵当権を設定しました。

さらに、Bさんも甲さんに対して100万円の債権を有していたとします。

このような事例において、債務者甲さんの返済が滞ったとします。

そこで、抵当権者であるAさんは、債権を回収するために、抵当権を実行せずに、甲さんの一般財産に対して強制執行をかけました。

さきほども言ったように、抵当権者は債務者に対しては、抵当権を実行せずに一般財産に対して強制執行をかけることもできます(1項)。

もし、甲さんの有している一般財産の価値が60万円だったとします。

すると、各債権者の取り分は、債権者平等の原則により按分されます。

結局、AさんとBさんの取り分は以下のようになります。

A:50万円(60万円×500万円/600万円)

B:10万円(60万円×100万円/600万円)

↑ここでの分母になっている600万円というのは、Aさんの債権額500万円とBさんの債権額の100万円を足したものです。

抵当権者であるAさんが抵当権を実行せずに、いきなり一般財産に対して強制執行をかけたとすると、一般債権者であるBさんは、10万円しか回収することができないことになります。

しかし、Aさんが先に抵当権を実行してくれたら、Bさんの一般財産からの取り分は増えることになります。

なぜなら、抵当権を実行すると400万円の価値があるわけですから、その400万円からAさんが400万円を回収して残りの足りない100万円についてだけ一般財産に対して強制執行してくれればいいからです。

すると、債務者である甲の一般財産からAとBが債権を回収することができる額は、以下のようになります。

A:30万円(60万円×100万円/200万円)

B:30万円(60万円×100万円/200万円)

↑ここでの分母になっている200万円というのは、Aさんの残りの債権額100万円とBさんの債権額の100万円を足したものです。

このように抵当権者であるAさんが、抵当権を先に実行するかどうかで他の一般債権者の取り分が大きく変わってしまいます。

そこで、抵当権者と一般債権者の平等を図るために、一般債権者に抵当権者による一般財産の強制執行に対して、異議を申し立て、まず抵当不動産を競売して、それでも足りなかった分についてだけ一般財産に対してもかかっていくことができるように主張する権利を認めているのです。

■■ 豆知識 ■■

今日は、特に豆知識はありません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 編集後記 ■

今日の条文は、理解するのは簡単だと思います。

解説を読めば、「なるほど!」と思っていただけると思います。

ただ、それほど重要ではない条文ですので、一度理解だけしていただければそれほど気にする必要はないと思います。

それでは、次回もお楽しみに!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼資格キングブックス
資格試験のテキストや問題集の中古販売。高額買取も実施中!
https://www.shikaku-king.com/shop/

▼資格フレンズ
資格受験生が集まる掲示板です。このメルマガのご質問もこちらに。
https://www.shikaku-king.com/community/

▼資格キング
国家試験、資格の一覧を紹介しています。おすすめの予備校・本なども紹介。
https://www.shikaku-king.com/

▼Will to break! ゆっくり進め!(発行者のブログ)
http://www.will-to-break.com/

ご意見・ご感想はこちらから
shikaku-king@shikaku-king.com
管理人レイ

なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることがで きません。
まぐまぐのサイトよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright 2008 minnpoukannzeseiha. All rights reserved.

(裏編集後記)

ソフトバンクが、アイフォンを年内に発売することを発表しました。

楽しみです(^○^)

関連条文

第333号 第400条 (特定物の引渡しの場合の注意義務)(20092626)

第332号 第399条 (債権の目的)(20092626)

第329号 民法 第398条(抵当権の目的である地上権等の放棄)(20091111)

第328号 民法 第397条(低動不動産の時効取得による抵当権の消滅)(20091111)

第326号 民法 第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)(20081313)

〜スポンサードリンク〜

Search & RSS


民法のおすすめの本

↓民法基本書の定番である内田民法!民法を勉強するなら必ず持っておきたい基本書の一つです。

民法1 第4版

↓司法試験受験生の間で圧倒的な支持を得ている伊藤塾のテキストです。司法試験、司法書士、行政書士の受験対策や大学の学部試験対策に最高のテキスト。

伊藤真試験対策講座1 民法総則

↓民法の偉大な学者である我妻先生が民法の条文を一つずつ徹底的に解説されています。条文の趣旨や要件・効果などを調べたい時に辞書のように使うと便利な本です。

我妻・有泉コンメンタール民法―総則・物権・債権

↓手軽に読むことができる人気のSシリーズです。内容がうまくまとめられているので、全体像を理解するのにおすすめです。

民法 (1) (有斐閣Sシリーズ (1))

スポンサードリンク