第315号 民法 第386条 (抵当権消滅請求の効果)
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第315号 386条 2008・3・19
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■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。
私用でアメリカの西海岸に行っており、しばらく発行することができませんでした。
また、今日からいつもどおり頑張って発行していきたいと思います。
それでは、さっそくはじめていきましょう。
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▼▼▼ 民法 第386条 (抵当権消滅請求の効果) ▼▼▼
登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は、消滅する。
■■ 解説 ■■
386条は、抵当権消滅請求の効果を規定した条文です。
今まで解説してきた条文は、抵当権消滅請求の要件に関する条文でした。
つまり、どのような要件があれば、抵当権消滅請求をすることができるのかということを規定した条文を見てきました。
そして、今回の386条は、そのような要件が全て充たされた場合に、どのような効果が生じるのかを規定しています。
抵当不動産の第三取得者は、一定の金額を抵当権者に対して提供します。
そして、その額について抵当権者の承諾が得られれば、その金額を払い渡し又は供託します。
この時点で、抵当権消滅請求の効果が発生し、抵当権は消滅します。
供託というのは、後に出てくる条文で詳しく解説しますが、簡単に言うと、抵当不動産の第三取得者が、抵当権者に対して金銭を支払おうとしているにも関わらず抵当権者が受け取ら
ない場合に、供託所という所に金銭を預けることを言います。
供託所に供託することによって、抵当権者に対して払い渡したのと同じ効果が生じます。
要するに、386条は、抵当権者が第三取得者の提示した金額を承諾し、抵当不動産の第三取得者がその額を支払った場合に、抵当権は消滅するということを規定しているのです。
条文の内容自体は、あたりまえのことを規定しているので難しくはないのですが、それぞれの条文が要件を規定しているのか、効果を規定しているのかということを意識して読んでく
ださい。
〜抵当権消滅請求の手続きの流れ〜
最後に、簡単に抵当権消滅請求の流れをおさえておきましょう。
1、抵当不動産の第三取得者が、一定の金額を債権者に対して提示して抵当権消滅請求する。
2、抵当権消滅請求を受けた抵当権者が、2箇月以内に競売の申し立てをしなければ、承諾が擬制される。
3、抵当不動産の第三取得者が、提示した金額を払い渡し又は供託する。
4、抵当権が消滅する。
■■ 豆知識 ■■
司法書士試験には出題されるかもしれませんので、豆知識を一つ紹介しておきます。
抵当権消滅請求の効果が生じた場合、抵当権設定登記の抹消をすることになるのですが、これは共同申請によってなされます。
もし、抵当権者が応じない場合、抹消に応じるよう求める登記請求権を判決により認めてもらい、単独で判決による登記を申請することになります。
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■ 編集後記 ■
これで、抵当権消滅請求の解説は終わりました。
抵当権消滅請求の大まかな手続きの流れだけおさえておいてください。
それから、民法は要件・効果を意識することが極めて重要ですので、条文を読みながら、その条文が何を規定しているのかを常に意識してください。
要件・効果が理解できてくれば、一気に民法の実力が伸びると思います。
それでは、次回もお楽しみに!!
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(裏編集後記)
アメリカは、ほんとにスケールが大きいです。
自分がやっていることが、小さく思えてきてもっともっと頑張らなければならないぁと思います。
たまに、行くとやる気が出てきていいです。
関連条文
・第333号 第400条 (特定物の引渡しの場合の注意義務)(20092626)
・第332号 第399条 (債権の目的)(20092626)
・第329号 民法 第398条(抵当権の目的である地上権等の放棄)(20091111)
・第328号 民法 第397条(低動不動産の時効取得による抵当権の消滅)(20091111)
・第326号 民法 第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)(20081313)
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