第281号 民法 第354条 (動産質権の実行)
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第281号 2007・9・8
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■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。今日は、民法354条の解説です。
この条文は、趣旨を考えればおもしろいのですが、重要性はかなり低いです。
趣旨をからこの条文の存在している意味が理解できればそれで十分です。
それでは、はじめていきましょう。
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▼▼▼ 民法 第354条 (動産質権の実行) ▼▼▼
動産質権者は、その債権の弁済を受けないときには、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる。この場合において、動産質権者は、あらかじめその請求をする旨を債務者に通知しなければならない。
■■ 解説 ■■
民法354条は、流質契約の例外を規定した条文です。
質権者が、自分で質物を売却するなどして、そこから優先弁済を受ける方法、いわゆる流質は原則として禁止されています。
これは、349条の部分で解説しました。
質権を実行するためには、公平の観点から、質物を競売しなければならないのが原則です(民事執行法190条)。
しかし、競売するには費用がかかります。
質物が安価な物であった場合、競売にかかる費用の方が大きくなって、競売をする意味がないという事態がありえます。
そこで、354条は、「正当な理由」がある場合に限り、質物を直ちに自分の弁済に充てることができることを認めているのです。
正当な理由というのは、わかりますよね?
質物が極めて安価で、競売をする実益がないような場合が、「正当な理由」にあたります。
■■ 豆知識 ■■
今日は、特に豆知識はありません。
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■ 編集後記 ■
今日の条文は、それほど大事な条文ではないですが、なぜこのような条文が存在するのかという、つまり趣旨から考える勉強になります。
民法というのは、国民と国民の間に発生する問題を解決するものです。
つまり、民法の条文には、全て意味があるはずなのです。
それが条文の趣旨です。
法律は、解釈が問題になりますが、趣旨から考えれば、たいていの問題は解決します。
趣旨から条文を考えるというのはほんとに大事ですので、ぜひ身に付けてくださいね。
条文を見れば必ず、「この条文の趣旨は何だろう?」と考えてみてください。
それでは、次回もお楽しみに!!
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