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第263号 民法 第337条  (不動産保存の先取特権の登記)

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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第263号 2007・6・20
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■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。

今日は、民法337条の解説です。

この条文は、先取特権の中でも、重要な条文で、特に司法書士試験では絶対におさえておかなければならない条文です。

司法試験や、行政書士試験、宅建試験などでも結論くらいは聞かれる可能性がありますので、結論だけはおさえておいてください。

結論だけおぼえると簡単に言っていますが、全部集めると膨大な量になるんですよね。

これを覚えるだけでもほんとに大変です。

ただ、記憶するには、ちょっとしたコツがあります。そのコツを知っているかどうかで効率が全く変わってきます。

以前に紹介した、フィッシュボーンやマインドマップなどを使うのもいいです。

また、よく理解して覚えることが大事といいますが、それは、理解することが大事だからという意味ももちろんありますが、何かと関連させて覚えると記憶しやすいからといい意味もあるのです。

断片的に、単に記憶するというのは人間は苦手なようで、断片的な知識を何かと関連させて、つなげてやると記憶しやすいのです。

いい例が、語呂合わせです。

鎌倉幕府が作られたのは、1192年です。

「いい国作ろう鎌倉幕府」という語呂合わせは有名で、ほとんどの方が聞いたことがあり、しかも記憶していると思います。

語呂合わせが覚えやすいというのも、何かと関連させて覚えているからなのです。

ちょっとした記憶のこつを意識しましょう

それでは、さっそくはじめていきまよう!!

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▼▼▼ 民法 第337条  (不動産保存の先取特権の登記) ▼▼▼

不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。

■■ 解説 ■■

短い条文ですが、冒頭でも申し上げたように、非常に重要な条文です。

まず、先取特権には、一般の先取特権と、動産の先取特権と、不動産の先取特権がありました。

そして、不動産の先取特権の中でもさらに類型が分かれており、不動産保存の先取特権、不動産工事の先取特権、不動産売買の先取特権がありました。

民法337条は、不動産保存の先取特権についての規定です。

不動産保存の先取特権が成立するためには、保存行為の後直ちに登記をしなければならないと規定されております。

これはなぜでしょうか?

これは、先取特権の趣旨に遡って考えると分かりやすいです。

そもそも、先取特権というのは、担保物権の中の一つでしたが、その中でも法定担保物権の一つでした。

つまり、抵当権などとは異なり当事者が契約をしなくても、法律上一定の事由があれば当然に発生するものなのです。

そして、同一の不動産に対して、抵当権と不動産保存の先取特権が競合した場合、不動産保存の先取特権が抵当権に対して優先するのです。

これは抵当権者からしたら、たまったものではありません。

たとえば、甲が1000万円の価値がある土地を有する乙に対して1000万円の債権を有していたとします。

そして、その債権を担保するために、その土地に対して抵当権を設定したとします。

その後、乙が債務超過に陥ったので、抵当権を実行して1000万円を回収しようとしたら、全く知らない別の債権者の先取特権が成立していたということが判明したとします。

甲は、1000万円の価値がある土地に抵当権を設定して全額回収の見込みがあるから1000万円を乙に貸したわけです。

にもかかわらず、いきなり他の先取特権者が出てきて、先に優先弁済を受けられるとすると、甲は債権全額を回収することができなくなってしまいます。

このような不都合を回避するために、先取特権が成立しているのであれば、速やかに登記をして公示をさせておく必要があるのです。

登記があれば、抵当権を設定する時点で、先に優先弁済を受ける者がいるということを知ることができますから、不都合はないわけです。

少し長くなりましたが、要するにポイントは、先取特権が法定担保物権であり、先に設定された抵当権に優先するという強い効力が認められる、というのがポイントです。

抵当権などを設定する者に、不測の損害を与えないために規定されている条文です。

■■ 豆知識 ■■

少し細かいので、聞き流していただければかまいません。

「効力を保存する」と条文にありますが、その意味について、登記が対抗要件という意味か、効力発生要件という意味か、という争いがあります。

判例は、後者、登記が効力発生要件であるという立場をとっています。

したがって、登記をしない限り当事者間においても先取特権を主張することができないということになります。

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■ 編集後記 ■

いつも、申し上げているとおり、条文の趣旨や本質にまで遡って考えるというくせをつけてくださいね。

今日の条文でも、単に結論だけ覚えるのではなくて、「なぜ?」という所まで突っ込んで考えることが大事です。

特に、司法試験などを受けるのであれば、とにかく考えて考えて考えることを訓練しておかないと一生合格することはできないと言われています。

司法試験というと、とてつもない量の知識を覚えないといけないというイメージがありますが、司法書士試験や、公認会計士試験などと比べると記憶しなければならない量というのは約半分くらいだと言われています。

あまり細かいことは司法試験には出題されないのです。その代わり、誰も知らない問題が出題されるので、その場で考えてなんとか答えを出さないといけないわけです。

これが、難しいのです。

といっても、最低限記憶しなければならない量だけでも、膨大な量ですけどね。

いずれにせよ、勉強するには記憶するということを避けて通れません。

とにかく、いろんな方法を使ってできるだけ短時間で記憶できる方法を見つけることです。

それでは、次回もお楽しみに!!

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