第243号 民法 第305条 (先取特権の不可分性)
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第243号 2007・2・13
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■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんは。
今日は、民法305条の解説です。
民法305条は、前に解説した条文が準用されているだけですので、解説はほとんどありません。
ですから、すぐに終わっていまします。
そこで、今まで勉強してきた留置権の知識を確認してみましょう。
今まで勉強してきたことが、実際には試験でどのように出題されているのかを実際に問題を解いてみましょう。
ちなみに、問題は、司法試験に昭和57年第71問で出題された問題です。
司法試験は、日本最難関の試験といわれていますが、安心してください。
かなり昔の問題ですので、今まで勉強してきた知識だけで解けます。今は、こんな簡単な問題は出題されませんが、日本最難関と言われている司法試験にどんな問題が出題されているのかを体験してみましょう!
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▼▼▼ 民法 第305条 (先取特権の不可分性) ▼▼▼
1項
第296条の規定は、先取特権について準用する。
■■ 解説 ■■
296条というのは、留置権の不可分性の規定です。
不可分性というのは、担保物権全般について認められる性質です。
つまり、債務の全部の弁済を受けるまでは、先取特権は消滅しないということです。
296条の部分で解説したので、バックナンバーで確認しておいてください。
さて、それでは、冒頭に言いましたとおり、昭和57年度第71問の司法試験の問題を解いてみましょう。
嫌がらずに必ず目は通しておいてくださいね。次回、簡単に解説します。
〜司法試験 昭和57年度第71問〜
甲は、乙からその所有の建設機械を賃借したが、故障していたため、丙にその修理を依頼し、丙は、自己の工場でその修理をした。この場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1、甲は、丙に修理代金を支払ったときは、乙に対して修理代金相当額の支払いを求めることができる。
2、丙は、機械の修理後これを保管中、機械の機能を保持するために必要な費用を支出したときは、その費用の支払いを受けるまでは、甲からの機械の返還の請求を拒絶することができる。
3、丙は、甲からの修理代金の支払いを受けていない場合であっても、機械の修理後これを保管中に無断で使用したときは、甲からの返還の請求を拒絶することができない。
4、甲の丙に対する機械の返還請求訴訟において、丙が留置権の存在を主張してその権利主張の意思を明らかにしたときは、その債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。
5、乙の丙に対する機械の引渡し請求に対し、丙が修理代金債権をもって留置権を行使する場合においては、乙が丙に対して相当の担保を供する旨の申し込みをするとともに留置権の消滅を請求する旨の意思表示をしたとしても、丙は、乙からの引渡しを拒絶することができる。
以上です。ぜひ挑戦してみてください。
■■ 豆知識 ■■
今日は、特に豆知識はありません。
バックナンバーで留置権の不可分性のところを復習しておいてください。
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■ 編集後記 ■
今日、紹介した問題は、ほとんど知識だけで解くことができます。
いつも私が解説しているように、留置権の成立要件をひとつずつ事例にあてはめていくという作業は必要ないかと思います。
そういう意味ではつまらない問題ですが、常にその意識は持っておいてくださいね。
それから、商法の大改正に伴い成立した会社法の勉強をするのにおすすめのブログがあります。
「会社法であそぼ」というブログなのですが、何と書いているのは、会社法の立法担当者である、葉玉先生という方です。
会社法を作った張本人が書いているブログですので、非常に参考になります。
ただ、現在、葉玉先生は、東京地検特捜部に配属になったので、運営者が交代されています。
東京地検特捜部というと、ホリエモンを逮捕したり、村上ファンドを逮捕したりしている検察官の中でも超一流のエリート集団です。
会社法の立法に携わり、今は、特捜部。葉玉先生は有名な方ですが、やっぱすごいですねー。
こんな人が、ブログを書いているというのはほんとに貴重です。今の執筆者は匿名ですが非常に優秀な方であることは間違いありません。
暇な時にでも読んでみてください。
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(裏編集後記)
葉玉先生と比べると、ほんとに自分の勉強不足を思い知らされます。
ただ、常に志を高く持って、自分より優秀な人を目標にするというのは非常に大事だと思います。
自分と同じレベルや、低い人といるとそれで満足してしまって、成長しないんですよね。
人間は弱い生き物ですから、楽な方にいろいろ理由をつけていこうとします。
ですから、あえて自分の周りを自分より優秀な人で固めて、厳しい環境にいつもいることが大事なんだと思います。
私も、もっともっと勉強します。
関連条文
・第277号 民法 第350条 (留置権及び先取特権の規定の準用)(20072828)
・第276号 民法 第349条 (契約による質物の処分の禁止)(20072828)
・第274号 民法 第347条 (質物の留置)(20072828)
・第273号 民法 第346条 (質権の被担保債権の範囲)(20072828)
・第269号 民法 第343条 (質権の目的)(20071818)
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