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第241号 民法 第303条 (先取特権の内容)

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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第241号 2007・2・4
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■■ はじめに ■■

みなさん、こんばんわ。

今日は、民法303条の解説です。

今日から、いよいよ先取特権の解説に入ります。

先取特権は、司法書士試験ではよく出題されますので、司法書士試験を受験しようと思っている方は、気合を入れて読んでください。

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▼▼▼ 民法 第303条  (先取特権の内容) ▼▼▼

先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

■■ 解説 ■■

先取特権も担保物権のひとつです。つまり、自己の債権を他の債権に優先して回収することができる権利です。

担保物権というのは、債権者平等の原則の例外をなす規定なのです。

たとえば、甲さんという債務者がいて、1200万円の土地を有していたとします。

そして、甲さんに対する債権者として、2000万円の債権を有するAさん、4000万円の債権を有するBさんがいたとします。

そして、甲さんは、1200万円の土地以外に何も財産がなかったとします。

この場合、AさんとBさんは、債権額に応じて平等に債権を回収することができます。

Aさんは、2000万円の債権、Bさんは4000万円の債権を有していますので、その割合は、1:2です。

ですから、Aさんは400万円、Bさんは800万円の弁済を受けることができるのが原則です。

これが債権者平等の原則です。

でも、もし、Aさんがその土地に抵当権などを設定していたとしたら、Bさんに優先して弁済を受けることができるわけです。

このようなことから、担保物権は、債権者平等の原則の例外だと言われているのです。

抵当権などを設定していれば、優先的に弁済を受けることができるのでいいのですが、抵当権などを設定していない場合が問題となります。

確かに、抵当権などを設定してなかった者が悪いといえばそれまでですが、債権者平等の原則を貫いてしまうとあまりにも公平に反するような場合があります。

そこで、そのような一定の場合には、法律上当然に先取特権が成立し、優先的に弁済を受けることを認めているのです。

これが先取特権です。

後で出てきますが、従業員の会社に対する給料債権などです。

会社が潰れてしまった場合、多数の債権者が押し寄せてきます。

そして、従業員もその債権者の一人にすぎません。

とすると、債権者平等の原則が適用されてしまうと、従業員の人たちは、ほとんど給料債権を回収することができません。

働いたのに、給料がもらえないとなるとたちまち生活ができなくなりますよね。

ですから、給料債権には法律上当然に先取特権が成立し、従業員の人たちは、他の債権者に優先して債権を回収することができるのです。

■■ 豆知識 ■■

最後の具体例で、従業員というのは、いわゆる社員の人たちのことです。

法律の世界では、会社の社員というのは、株主のことを意味します。

世間で使われている社員という言葉は、法律の世界では従業員といいます。

このように、世間やマスコミではいい加減な言葉を使っていることがあるので注意してください。

マスコミがよく使う「再逮捕」という言葉がありますが、あれも正確には、二重逮捕といいます。

法律の世界でいう、「再逮捕」というのは、同じ罪でもう一度逮捕することをいいます。

つまり、窃盗罪で逮捕しておいて、さらに殺人罪で逮捕することを二重逮捕といいます。(これをマスコミは「再逮捕」と呼んでいます。)

窃盗罪で逮捕しておいて、もう一度同じ窃盗罪で逮捕することを再逮捕といいます。

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■ 編集後記 ■

いよいよ先取特権に入ってきました。先取特権は、少し細かいし、難しい部分もありますので、本質をしっかり理解しておけばそれで十分かと思います。

あまり細かいところまでつっこむと量が多くて大変です。

法律にしてもなんにしても本質を見抜くというのは大事です。

それでは、次回もお楽しみに!!

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(裏編集後記)

本質を見抜くといえば、グッドウィルの折口さんを思い出します。

ジュリアナ東京、ヴェルファーレを成功させて、グッドウィルグループは創業から10年間で売上高1400億円。

折口さんの、成功した秘訣は、物事の本質を見抜いたからだそうです。

彼は、それをセンターピン理論と呼んでいるのですが、ほんとに納得させられます。

折口さんの、「プロ経営者の条件」という本にセンターピン理論が書かれています。

自営業の方は必読です。

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