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第194号 民法 第242条 不動産の付合 解説

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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第194号 2006・7・31
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■■ はじめに ■■

みなさん、こんばんわ。今日は、民法242条の解説です。

今日の民法242条は、民法の中でも重要な条文です。最初のうちは、少しややこしいと思われるかもしれませんが、何度も考えて、しっかりと理解してください。

それでは、はじめていきましょう!!

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▼▼▼ 民法 第242条 (不動産の付合) ▼▼▼

不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を付属させた他人の権利を妨げない。

■■ 解説 ■■

おそらく、この民法242条は、条文を読んだだけでは理解することができないと思います。

ある不動産に動産がくっついてしまった場合には、その不動産の所有者は、くっついた動産の所有権も取得することができるという条文です。

この附合が定められている趣旨は、分離・復旧を認めることが社会経済上の見地からも当事者にとっても不利益であることから認められています。

例えば、Aさんが、甲という土地を所有していました。

その甲土地を、自分の物だと信じたBさんが、甲土地に木を植えて育てていました。

この場合、Aさんの甲土地という不動産の上に、Bさんの木という動産があるわけです。

木は、Aさんの甲土地の上にあるとはいえ、あくまでBさんの所有物です。

しかし、木というのは、一度植えてしまうと、なかなか移動させることは困難です。

また、植えた木を無理に動かそうとすると、すごくコストがかかります。

ですから、このような場合には、その木は、不動産に附合して、不動産の所有者の物になります。

これを不動産の附合といい、民法242条が規定しています。

この場合の後処理としては、後ほど出てきますが、Bさんは、木の所有権を喪失するかわりに、償金請求権(民法248条)を取得することができます。

つまり、木などは、一度不動産とくっていてしまうと、分離しようとするとすごくコストがかかってしまいますよね。

それを無理に分離しようとすると、社会経済的にも当事者にとっても不利益になるわけです。

そこで、このような場合には、動産は不動産の所有になるとして、あとは、償金請求権で公平を保ちましょうということです。

その方が、社会経済上も当事者にとっても、結局は利益になると民法は考えたわけです。

ただ、民法242条には、ただし書きがあります。

例えば、Aさんの土地をBさんが借りているとします。

この時に、Bさんがその土地に庭石などを置いていたします。

この場合、不動産と動産がくっついているわけですが、Bさんは賃借権という権原に基づいて庭石を置いているので、附合は生じません。

きちんとした権原に基づいて不動産上に動産を置いてある場合などは、附合は生じないということです。

■■ 豆知識 ■■

ただし書きについてですが、附合には強い符合弱い符合というものがあります。

そして、ただし書きが適用されるのは、弱い附合の場合だけです。

さきほど、紹介した庭石の場合は、弱い符合になります。

土地の上にポンと庭石が置いてあるだけですから、簡単に取り外せるわけです。

他方で、土地に石垣を作ったような場合は、強い符合になります。

土地の上に、石垣が組み込まれているわけですから、簡単には取り外したりできませんよね。

このような場合は、いくら権原に基づいて石垣を作った場合でもただし書きは適用されません。

これはなぜでしょうか?

分からないときは、趣旨から考えるのが法律の大原則です。

民法242条の趣旨は、分離・復旧を認めることが社会経済上の見地からも当事者にとっても不利益であるからでしたよね。

とすると強い符合の場合は、分離・復旧を認めると社会経済上の見地からも当事者にとっても不利益になるわけです。

土地に組み込まれた石垣を、分離するのはかなりのコストがかかるでしょう。

ですから、このように強い符合の場合には、附合を認めて、償金請求権で処理しましょうということになっているわけです。

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■ 編集後記 ■

今日は、条文は重要で、ちょっと難しかったと思います。

でも、この条文をしっかり考えるとすごく勉強になりますので、しっかりと考えてくださいね。

そして、考えるときのポイントは、原則論趣旨です。

まず、原則はどうなるのかを考える。

そして、例外を考える。

その例外を認めてもよいのかを考える時に趣旨にもどるわけです。

趣旨に反しなければ、例外を認めてもいいですし、趣旨に反すれば、例外を認めることは許されないのです。

弱い符合の場合には、趣旨に反しないので、例外のただし書きの適用があり、強い符合の場合には、趣旨に反するので、例外のただし書きの適用は認められないということになります。

この思考プロセスは、民法だけでなく全ての法律に応用することができるので身につけてください。

それでは、次回もお楽しみに!!

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(裏編集後記)

梅雨が明けました。今年は、いろんな花火大会に行くことになりそうです。

あまり人ごみは好きではないのですが、みんなで行くとなれば、まぁ行こうかなという感じです\(^▽^)/

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