第180号 民法 第203条 占有権の消滅事由 解説
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第180号 2006・6・29
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■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんわ。今日は、民法203条の解説です。
今まで、占有権の解説をしてきたわけですが、占有権も終わりが近づいてきました。
今日は、占有権の消滅に関する条文です。
占有権をどのように取得するのかから始まって、占有権の内容も解説しました。
最後に、占有権が消滅する場面の規定です。
このように、一応条文の順番には流れがあるので、意識してくださいね。
それでは、はじめましょう!!
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▼▼▼ 民法 第203条 (占有権の消滅事由) ▼▼▼
占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
■■ 解説 ■■
はじめにも言いましたが、この民法203条は占有権が消滅する事由について定めた規定です。
占有権を取得するためには、どんな要件が必要だったか覚えているでしょうか。
占有権を取得するためには、自己のためにする意思と占有という事実(所持)が必要でしたよね。
占有権の消滅事由は、この取得の要件と対応しています。
つまり、占有の意思を放棄して、自己のためにする意思を失った場合、又は物の占有を失い所持を失った場合に、占有権は消滅します。
このいずれかを欠けば、占有権取得の要件がなくなるわけですから、占有権も消滅するということです。
いわば、占有権の取得要件を規定した民法180条を裏から規定したものということもできるでしょう。
ただ、注意しなければいけないのは、さきほどの要件を欠いたとしても、以前に解説した民法200条の占有回収の訴えを提起すれば、占有権は消滅しません。
占有回収の訴えを提起できる時というのは、ある物を奪われた時でしたよね。
物を奪われると直ちに占有権が消滅するというのは不都合ですよね。
ですから、そのような場合には例外的に占有権は消滅しないとただし書きで規定されているのです。
■■ 豆知識 ■■
今日の豆知識は、少し難しいですが、占有権の本質と関わってくるものなので、一応紹介しておきます。
さらっと、読んでください。難しいので、考えすぎないようにしてくださいね。
占有権というのは物権の一つですので、物権一般の消滅原因が生じれば、当然占有権も消滅します。
(例)物自体が火事や天災などで消滅してしまった場合。
ただ、占有権は占有している事実状態そのものに、基づいて認められる権利という特殊な性質を有していますので、その性質上、混同(民法179条3項)や消滅時効(民法166条以下)によっては消滅しません。
混同や消滅時効についてわからないという方は、バックナンバーで復習しておいてください。
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■ 編集後記 ■
占有権ももうすぐ終わりです。
占有権は、物権の中でも特殊な権利ですので、理解しにくかったと思いますが、とりあえずは、あとちょっとです。
わからない部分があっても、気にせずに、民法を一通り勉強してから、また戻ってくると分かりやすいです。
行ったり来たりの繰り返しが大事です。
何でもそうですが、上達の近道は、基礎の徹底した反復練習です。
1ヶ月くらい前からテニスをはじめたのですが、テニスにしても基礎の地道な練習が大事だと思ってこつこつ頑張っています\(^▽^)/
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(裏編集後記)
話題は、ワールドカップばかりですが、夜の12時からウィンブルドンもやっているんですよね。
最近、テニスをはじめたこともあって、私はもっぱらウィンブルドンの方を見ています。
やっぱりプロは、女子でも早いしうまいですねー。
あたり前ですが、自分がやっているテニスとはレベルが違います。
あそこまでうまくならなくてもいいけど、少しずつレベルアップしていこうと思っています。
関連条文
・第200号 民法 第250条 共有物の使用 解説(20062929)
・ 第199号 民法 第249条 共有物の使用(20062929)
・第198号 民法 第248条 附合、混和又は加工に伴う償金の請求(20062929)
・第197号 民法 第247条 附合、混和又は加工の効果 解説(20061818)
・第196号 民法 第245条 混和 解説(20061818)
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