第179号 民法 第202条 本権の訴えとの関係 解説
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第179号 2006・6・25
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■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんわ。今日は、民法202条の解説です。
今日、解説する民法202条は、民事訴訟法の知識もからんできますので、かなり難しいです。
とりあえず、そんな条文があったということくらい覚えておけば十分です。
法律系の資格試験でも、それだけわかっていれば正解は出せます。突っ込んで考えるとよくわからなくなると思いますので、適当に流してください。
それでは、はじめましょう!!
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▼▼▼ 民法 第202条 (本権の訴えとの関係) ▼▼▼
1項
占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない
2項
占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。
■■ 解説 ■■
さて、さっそく解説ですが、まず1項です。
1項は、要するに占有の訴えと本権に基づく訴えは全く別物として考えるということを規定しているものです。
これだけでは、わからないと思いますので、具体例をあげて説明します。
例えば、Aさんが甲という土地を所有していました。
そして、その甲という土地をBさんが勝手に利用していました。
このような場合、Aさんはもちろん、Bさんに対して「出て行け!」と言いたいですよね。
その場合の、法律構成としては、2つ考えることができます。
一つは、ちょっと前に紹介した、占有の訴えです。
具体的には、占有権に基づいて民法198条の占有保持の訴えをすることができます。
さらに、もう一つの方法として、所有権に基づく妨害排除請求をすることもできるのです。
このように所有権に基づく妨害排除請求のようなものを本権に基づく訴えといいます。
そして、2つの法律構成が考えられますが、どっちも自由にできるということを規定したのが、民法202条1項です。
つまり、占有訴権というのは、事実的な支配を保護するために認められているもので、本権の訴えとは全く別物だということです。
次に、それと関連して2項です。
占有訴権と本権の訴えは全く別物ですので、占有の訴えを提起された側、つまり、さきほどの具体例で言えば、Bさんは、防御方法として、本権の主張をすることができません。
これを規定したのが、2項です。
2項は、民事訴訟法をある程度勉強しないと分かりにくいと思いますので、今は気にしなくてもかまいません。
占有の訴えをされた場合には、防御方法として、本権の主張はできないということだけ覚えておいてください。
■■ 豆知識 ■■
今日は、特に豆知識はありません。
今日の民法202条も占有権の本質と関連しているので、バックナンバーで占有権をもう一度しっかりと理解しておいてください。
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■ 編集後記 ■
今日も、かなり難しかったと思います。
わからなくても気にしなくてもいいのですが、占有権というものがどんな物権なのか、ということがある程度理解できていれば、今日の民法202条も何となくは理解できるかと思います。
全然、意味がわからないという方は、バックナンバーで確認しておいてくださいね。
まぁ、そうは言っても難しいので、私も完全には理解しきれていない感じです。
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(裏編集後記)
今週は、ちょっとした機会があり、たくさんの素晴らしい方とお会いさせていただきました。
木曜日は、佐竹雅昭さん。昔、K1で大活躍されていた空手家です。
今日は、私が尊敬している政治家である北神けいろう衆議院議員をはじめ、民主党の国会議員の方々。
佐竹さんと、民主党前代表の前原さんは、お願いして写真を撮ってもらいました。
携帯で撮ったので、見にくいですが、興味のある方はぜひ見てくださいね。
ブログにアップさせていただいています。
私のブログはこちら → http://www.will-to-break.com/
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