第170号 民法194条に関する補足説明
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第170号 2006・5・31
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■■ はじめに ■■
みなさん、こんばんわ。
さきほど配信したメルマガに、質問がありましたので、同じような疑問をお持ちの方がいるかと思いますので、補足説明をしたいと思います。
それでは、はじめていきましょう!!
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■■ 補足説明 ■■
さきほどの民法194条に関する補足説明です。
194条が適用されると、真の所有者は代金を払わないと回復請求をすることができないというのは、さきほど説明しました。
とすると、真の所有者はどのような手段が取れるのでしょうか。
たとえば、Aさんがパソコンを持っていて、それがパソコン屋のBさんに盗まれて、それをCさんがパソコン屋のBさんから買った場合を考えてみましょう。
A → B → C
という流れです。
このとき、Cが善意・無過失であれば、Cさんに即時取得が成立します。
ここまでが、192条の原則ですよね。
しかし、この場合のパソコンは盗品ですので、民法193条が適用されて、2年以内であれば、AさんはCさんに対して回復請求をすることができます。
(パソコンが盗品というのがポイント)
さらに、この場合、Cさんはパソコン屋であるBさんから買っているので、194条が適用されます。
(Bさんがパソコン屋というのがポイント)
ですから、Aさんは、Cさんに対して回復請求するには、CさんがBさんに支払った代金を支払う必要があります。
そして、ここからがメインです。
Aさんが代金を払ってCさんからパソコンを取り戻した場合ですが、この場合、AさんはBさんに対して債務不履行に基づく損害賠償請求をすることはできません。
なぜなら、BさんはAさんから盗んだのであり、AB間に何ら契約関係はなく、債務不履行ということがあり得ないからです。
この場合は、AさんはBさんに対して、不法行為に基づく損害賠償請求をすることができるだけになります。(民法709条)
もし、盗人が誰かわからない場合は、泣き寝入りになってしまいます。
前々回くらいの事例では、債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができるといいましたが、あれは、AB間に賃貸借契約という契約関係があったからです。
一度、事例を比較して確認するとわかりやすいと思います。
不法行為や債務不履行はまだ解説していないので、わからなくても仕方がないと思いますが、参考までに。
これで、補足説明は終わりです。
以下は、さきほど発行したメルマガと同じ内容ですので、さきほどのメルマガを読んでいないという方は参考にしてください。
それから、バックナンバーも参考にしてくださいね。
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