第156号 民法 第182条 現実の引渡し及び簡易の引渡し 解説
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第156号 2006・4・22
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■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。
相変わらず、花粉症か黄砂の影響かわかりませんが、体調がよくない日が続いております。
もともと、あまり体が強くない方なので、この季節は特にきついです。
それはいいとして、今日は、民法182条の解説です。といっても、言葉の解説だけですので、特に解説することはありません。そのまま覚えてもらうしかありません。
読んで納得できればそれでいいと思います。
それでは、さっそくはじめましょう!
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▼▼▼ 民法 第182条 ▼▼▼ (現実の引渡し及び簡易の引渡し)
1項
占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする
2項
譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。
■■ 解説 ■■
占有権を取得するには、物を所持することが必要だということは180条の部分で解説しました。
そして、物を所持していると認められるには、大きく分けて、原始取得と承継取得があります。
原始取得というのは、192条の即時取得のような場合なのですが、まだ説明していないので今は、わからなくてもかまいません。
承継取得というのは、誰か特定の人からその権利を譲り受けることによって権利を取得することをいいます。
そして、承継取得して、物を所持していると認められ、占有権を取得するには物の引渡しを受ける必要があります。
引渡しというと、すぐにイメージできるのが、Aさんが所持している物をBさんに売った場合に、その物をAさんがBさんに渡すような場合です。
これが、182条1項で定められている場合で、「現実の引渡し」といいます。
図1 現実の引渡しイメージ
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しかし、民法上、引渡しと認められるのは他にもいくつかあります。
その一つとして、182条2項が「簡易の引渡し」というものを規定しています。
例えば、AさんがBさんにある物を売りました。しかし、その物は、すでにBさんが預かっていました。
この場合、Bさんがその物の引渡しを受けて占有権を取得するためには、一度その物をAさんに返却して、改めてAさんから物を受け取るということをする必要があるようにも思えます。
しかし、そんな面倒なことはしませんよね。
つまり、Bさんがすでに売買の目的物を持っている状態で、AさんとBさんの合意で、引き渡したことにしようということができるということです。
これを簡易の引渡しといいます。
図2 簡易の引渡しイメージ
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■■ 豆知識 ■■
民法が定めている引渡しには4パターンあります。
- 1、現実の引渡し
- 2、簡易の引渡し
- 3、占有改定
- 4、指図による占有移転
一番、イメージがわきやすいのが現実の引渡しです。しかし、引渡しと認められるのには、必ずしも現実の引渡しは必要ないのです。
この4つのパターンは覚えてしまってください。3と4はまだ出てきていませんが、次回解説することになると思います。
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■ 編集後記 ■
今日は、現実の引渡しと簡易の引渡しの意味を説明しました。
単なる言葉の説明だけなのですが、こういうのはかえって解説するのが難しいです。
おそらく、今日の解説はちょっとわかりにくかったと思います。自分で、原稿を書いていて解説になっているのか疑問に思ったくらいですので\(^O^)/
とにかく、大事なことは現実の引渡しと簡易の引渡しの意味です。
具体的にどのようなものがそれにあたるのかということがわかっていただければそれで十分です。
あまり、深く考えずに、意味だけ理解しておいてください。
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(裏編集後記)
今まで、ライブドアブログを使っていたのですが、リスク回避のために、サーバーを借りて独自ドメインも取って、ブログを移行しています。
ムーバブルタイプといって、自分でサーバー上にプログラムをインストールする必要があるなど、ややこしいのですが、一度わかってしまえば、自由にカスタマイズすることができるし、ライブドアブログなどのように広告が表示されることもありません。
最近は、ムーバブルタイプで作られたサイトも多くて、みなさんがサイトだと思っていたものが実はブログをカスタマイズして作られたものだったということもたくさんあります。
ムーバブルタイプは、ほんとに自由にカスタマイズできるので、ブログとサイトの区別ができないくらいです。
どんどんカスタマイズしていって、おもしろいブログにしたいと思っています。
そして、いつまでも自分の思いを発信し続けていきたいと思います。
正しいかどかは別にして、責任を持って自分の意見を自由に発信することができるというのがインターネットの最大のメリットだと思います。
移行が完了したら、報告しますので、ブログの方もよろしくお願いします。
くだらない私の日記ですが、どんな人物なのかということを知っていただけるかと思います。
それから、少し遅いですが、「ウェブ進化論」を読みました。
おもしろいです。インターネットがこれからの世界をどう変えるのかということは何となく考えていたのですが、それを論理的に説明されているのでぼんやりしていたものがすごくクリアーになりました。
おもしろいです。ITに興味のない人も読んで損はないと思います。むしろ私は読むべきだし、その上でしっかりといろいろと考えるべきだと思います。
1,000円しないし安いので、ぜひ読んでみてください
ウェブ進化論 梅田 望夫 (著) ちくま新書
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