第140号 民法 第166条 消滅時効の進行等
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第140号 2006・2・28
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。
今日は、140号ということで、民法166条の解説です。
前回までは、時効の中でも取得時効の話をしてきました。
今回の民法166条は、その反対の消滅時効の解説です。
一定の時間の経過によって、権利が消滅するという場面です。
それでは、さっそく始めましょう!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼▼▼ 民法 第166条 (消滅時効の進行等) ▼▼▼
1項
消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。
2項
前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。
■■ 解説 ■■
この166条は、消滅時効に関する条文ですが、今までにもずっと時効については解説してきたので、繰り返し説明することはあまりないと思います。
つまり、ある一定の期間権利を行使しないとその権利が消滅してしまうことがあるということを規定したのが消滅時効です。
一定の期間の経過によって、権利が消滅してしまうのですから、権利者にとっては非常に重要なことです。
つまり、いつから時効期間がスタートするのかということが重要になってくるわけです。
そして、それを規定しているのが、1項です。
166条1項は、権利を行使することができる時から進行すると規定しています。
例えば、AさんがBさんに2006年2月10日に、返済期限を1年後として、100万円を貸しました。
この場合、1年後の2007年2月10日にAさんはBさんに100万円の返済を請求することができます。
返済を請求することができる時、つまりこれが「権利を行使することができる時」です。
ですから、2007年2月10日に消滅時効がスタートし、その10年後の2017年2月10日に消滅時効が完成するということになります。
消滅時効は、「権利を行使することができる時から進行する」これは覚えておいてください。
決して契約をした時点から進行するわけではありません。
あと2項の解説が残っていますが、これはほんとうに細かいので省略します。
読んでいただければ、わかると思います。
■■ 豆知識 ■■
Aさんが、Bさんに対して「東大に合格したら車をあげる」と言いました。
懐かしい話ですが、停止条件付きの契約ですよね。
この場合、Bさんの車の引渡し請求権の消滅時効はいつスタートするのでしょうか。
これは、停止条件が成就した時です。
つまり、東大に合格した時点で、始めて車を引き渡すことを請求することができるようになるわけです。
東大に合格した時点で、「権利を行使することができる時」になるということです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 編集後記 ■
久しぶりに停止条件の話が出てきました。知らないという方や忘れたという方は、バックナンバーを参考にしてもう一度復習しておいてくださいね。
127条のあたりから解説しています。
今日は、寒かったですね。暖かくなったり、寒くなったりする時期はほんとに体調を崩しやすいので、みなさんも気をつけてください。
それでは、次回もお楽しみに!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼資格キングブックス
資格試験のテキストや問題集の中古販売。高額買取も実施中!
https://www.shikaku-king.com/shop/
▼資格フレンズ
資格受験生が集まる掲示板です。このメルマガのご質問もこちらに。
https://www.shikaku-king.com/community/
▼資格キング
国家試験、資格の一覧を紹介しています。おすすめの予備校・本なども紹介。
https://www.shikaku-king.com/
▼Will to break! ゆっくり進め!(発行者のブログ)
http://www.will-to-break.com/
ご意見・ご感想はこちらから
shikaku-king@shikaku-king.com
管理人レイ
なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることがで
きません。
まぐまぐのサイトよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright 2007 minnpoukannzeseiha. All rights reserved.
関連条文
・第142号 民法 第168条 定期金債権の消滅時効(20061616)
・第141号 民法 第167条 債権等の消滅時効(20061616)
・第139号 民法 第164条 占有の中止等による取得時効の中断(20060808)
・第138号 民法 第163条 所有権以外の財産権の時効取得(20060808)
・第137号 民法 第162条 所有権の時効取得(20060505)
〜スポンサードリンク〜
Search & RSS
Recent Entry
Category
Link
民法のおすすめの本
スポンサードリンク