第137号 民法 第162条 所有権の時効取得
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第137号 2006・2・24
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■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。
今日は、136号ということで、民法162条の解説の続きです。
所有権の時効取得という非常に重要な条文の解説に入っています。
昨日の、自主占有かどうかは、外形的・客観的に判断するということは理解できたでしょうか?
法律の世界では、よく客観的とか主観的という言葉を使うので、慣れてくださいね。
それでは、さっそく続きの解説に入っていきましょう!!
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▼▼▼ 民法 第162条 (所有権の時効取得) ▼▼▼
1項
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2項
10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
■■ 解説 ■■
さて、所有権の時効取得が成立する要件をもう一度確認しておきましょう。
1、所有の意思を持った占有
2、平穏、公然
3、他人の物を占有すること
1は昨日解説しましたので、2と3を解説したいと思います。
2の平穏、公然という要件ですが、またしてもよくわからない法律独特の言葉です。
何となくイメージはできると思うのですが、言葉で説明するのは難しいです。
要するに、暴行や強迫、又は隠匿による占有でないということです。
他人の家にいきなり上がりこんで占有を始めて時効が成立するなんてことは許されないのは当然ですよね。
この要件の解説は、これくらいでいいでしょう。
次に、3の要件である他人の物を占有することです。
これは、実はあまり問題にならない要件なのです。
というのも、条文は「他人の物」と書いてありますが、「自己の物」でも時効取得することができるのです。
ですから、この要件はあまり問題になりません。
ただ、自分の物を時効によって取得するということのイメージがわかないと思いますが、後の方で解説する対抗要件との兼ね合いで自己の物を時効取得するということの意味があるのです。
今は、まだ気にしなくてもかまいません。176条のあたりからじっくり解説します。
ということで、この3つの要件を充たして、10年若しくは20年占有を続けると時効が完成することになります。
善意・無過失の場合が10年で、悪意・有過失の場合が20年ということになります。
この場合の善意というのは、自分が占有している土地が自分の物であると信じていること、悪意というのは、自分が占有している土地が他人の物であることを知っていることをいいます。
自分の土地であると信じて、占有している場合の方が、時効取得が成立しやすいということです。
■■ 豆知識 ■■
この豆知識は後で説明することなのですが、さらっと聞き流してください。今はわからなくてもかまいません。
まず、1の要件として自主占有であることが必要だと言いました。
しかし、占有をしているだけで、186条1項により自主占有と推定されます。
また、2の平穏・公然という要件も同様に186条1項により推定されます。
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■ 編集後記 ■
法律の独特の言葉がどんどん出てきますが、自然となれてくると思いますので、安心してください。
私は、勉強を始めたころ、客観的とか主観的とかいう言葉の意味すらよくわからなかったことを覚えています。
難しい言葉は、ほんとに慣れることが大事ですので、あせらずにこつこつと読み続けてくださいね。
それでは、次回もお楽しみに!!
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関連条文
・第142号 民法 第168条 定期金債権の消滅時効(20061616)
・第141号 民法 第167条 債権等の消滅時効(20061616)
・第140号 民法 第166条 消滅時効の進行等(20060808)
・第139号 民法 第164条 占有の中止等による取得時効の中断(20060808)
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