第111号 民法 第127条 条件が成就した場合の効果 Part1
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第111号 2006・1・12
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■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。
今日から、条件と期限という少しややこしい部分の解説に入っていくことになります。
ただ、ややこしいと言っても内容が難しいわけではなくて、言葉の意味が分かりにくいのです。
ですので、条件と期限という言葉の意味をしっかり理解すれば、それほど難しいものではありません。
まず、条件と期限という言葉になれてください。
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▼▼▼ 民法 第127条(条件が成就した場合の効果) ▼▼▼
1項
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2項
解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3項
当事者が条件が成就した場合にの効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意志を表示したときは、その意思に従う。
■■ 解説 ■■
さて、この条文の解説に入る前に、「条件」という言葉の意味を説明する必要があります。
それから、もう一つ「期限」という言葉もまとめて説明したいと思います。
これが分からないと、条文の解説をしても全く理解できないと思いますので、今日はまず言葉の説明だけをしておきます。
条文自体の解説は次回からということになります。
まず、少し難しいですが、正確な定義を紹介します。
条件=法律行為の効力の発生または消滅を将来の不確定な事実の成就にかからしめる法律行為の付款
期限=法律行為の効力の発生・消滅または債務の履行を、将来到来することの確実な事実の発生にかからしめる法律行為の付款
これだけでは、分からないと思うので、いつものように具体例を挙げます。
親が子供に、もし東大に合格したら10万円をあげる。と言ったとします。
これは、「条件」になります。
つまり、東大に合格するかどうかは分からないので、「将来の不確定な事実」ということです。
そして、その「不確定な事実」に10万円をあげる、という効力をかけているわけです。
東大に合格すれば、10万円をもらえるという効力が生じるし、不合格であれば、10万円はもらえないということになります。
将来の「不確定な事実」にかけているというのがポイントです。
次にいきます。
親が、子供に自分が死んだらこの家をやると言ったとします。
これは、「期限」になります。
つまり、人間は絶対に死にます。ですから、死ぬという「将来確実に到来する事実」に家をあげるということをかけているわけです。
分かりましたでしょうか?
つまり、将来発生することが「不確実」であれば、「条件」。将来発生することが「確実」であれば、期限になるのです。
では、問題を出します。
1、今度、雨が降ったら、あなたに10万円をあげます。
2、私が、弁護士になったら、あなたに10万円をあげます。
さて、この2つの事例は、条件か期限かどちらでしょうか?
まず、1です。これは、期限です。
なぜなら、雨はいつか必ず降りますよね。ですから期限になるのです。
確かに、もしかすると雨は二度と降らないかもしれません。しかし、法律というのは常識で判断することが必要なのです。
少し難しくいうと法律は、社会通念に基づく社会倫理規範なのです。
常識的に考えて雨はいつか必ず降ります。というより、降らないと私たちは死にます。
ということで、1は期限になります。
次に、2です。これは条件になります。なぜなら、弁護士になるかどうかはわかりませんよね。
弁護士になれるかどうかなんて誰にもわかりません。
つまり、弁護士になるかどうかは「不確定な事実」ということです。
ということで、2は条件ということになります。
■■ 豆知識 ■■
いわゆる出世払いというのがあります。
将来出世したら金を返すから、貸してよ!というやつです。
これは、争いがあるのですが、判例は期限と考えています。
条件と考えるか期限と考えるかで、どのような違いがあるのか考えてみてください。
そして、なぜ判例は期限と考えたのでしょうか?
これは、まだ、条件と期限について説明が全部終わっていないので、分かりにくいと思いますが、できれば一度考えてみてください。
正確にいうと、判例は不確定期限と考えています。
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■ 編集後記 ■
出世払いについては、まだわからないと思うので、気にしないでくださいね。
ただ、考えてみるということが重要ですので紹介しました。
話は変わりますが、昨日手帳を作りました。私はいつもかばんを持ち歩くので、別に大きくてもいいのでB5サイズにしました。
いっぱい書くことがあるので、大きい方が便利なのです。
かばんを持たないという人やポケットに入れているという人はコンパクトなのがいいのでしょうね。
いつも目にするものに、自分の目標を書いておくというのはすごく大事です。
人間は忘れる生き物です。それをしっかりと自覚することができると、手帳の大事さがわかりますね。
それでは、次回もお楽しみに!!
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