第32号 民法第32条 失踪宣告の効力2
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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第32号 2005・7・17
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■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。今回は第32号です。今日もはりきっていきましょう。
今日は32回ということで、民法第32条の解説です。
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▼▼▼ 第32条 ▼▼▼ (失踪宣告の効力)
1項
失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2項
失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。
■■ 解説 ■■
失踪者が実は生きていたことが判明した場合や、別の時点で死亡していたことが明らかになった場合に、失踪宣告が取り消されます。
そして、取り消されると死んだものとして扱われていた法律関係が復活します。ただ、無制限に以前の法律関係を復活させると、その関係者に思わぬ損害を与える可能性があるのでその調整を図った条文です。
例えば、AさんとBさんが結婚していたとします。そして、Aさんに失踪宣告がなされた場合、Aさんは死んだものとして扱われますので、BさんがAさんの財産を相続します。
そして、その後Bさんは、その相続した財産をパチンコなどいろいろなものに使ってしまいました。
さらに、その後、Aさんは実は生きていることが判明し、失踪宣告が取り消されました。
すると、Aさんは死んでいなかったことになるので、Bさんは相続した財産をAさんに返さなければなりません。
しかし、BさんはまさかAさんが生きているとは思っていなかったのであり、いきなり相続した財産を返せといわれても使ってしまっているから返せないことが多いですよね。
ですから、そのような場合には、今手元にある残りの相続した財産だけを返還すればいいですよ、というのが2項です。
■■ 豆知識 ■■
1項は、相続した財産を誰かに売ったりしたような場合の規定です。そのような場合は、たとえ失踪宣告が取り消されたとしても、その売ったりしたような行為には影響がありませんよ、ということが規定されています。
ただ、そのためには両者とも善意であることが必要であるというのが判例の立場です。
つまり、さきほどの例でいえば、Aさんが死んで、その財産をBさんが相続したとします。
そして、その後BさんがCさんにその遺産の一つである家を売ったとします。
この場合、BさんCさんの両方がAさんは実は生きているんだ、ということについて知らなかった場合は、AさんがCさんに家を売った行為に影響はなく、Cさんはそのまま家を自分のものとして利用することができます。
しかし、BさんCさんのいずれか一方でも、Aさんは実は生きているんだ、ということについて知っていた場合には、BさんがCさんに家を売った行為に影響があり、CさんはAさんに家を返さなければならないことになります。
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■ 編集後記 ■
つい先日、とうとう改正会社法が国会で成立しました。まだ詳しく内容を見ていませんが、かなり大きな改正がなされたようです。
はっきりとは知らないのですが、有限会社が廃止されるようですね。また、株式会社の最低資本金制度も廃止されたようです。
つまり、今までは株式会社を作るのには最低1000万円が必要だったのですが、それが
いらないということになったのでしょうね。
今でも1円で会社を作ることができるので、その流れに乗ったという感じなのでしょう。
どんどん会社を作らせて経済の発達を促すことが目的なのでしょうね。
これからは、誰でも簡単に会社が作れるようななりますので、個人で商売をされている方などはぜひ会社にしましょう。
それでは、次回もお楽しみに!!
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