毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! > 301条〜350条
第277号 民法 第350条 (留置権及び先取特権の規定の準用)
みなさん、おはようございます。今日は、民法350条の解説です。
350条は、準用条文ですので、今までに解説していることばかりです。
すぐに理解できると思いますので、さらっといきましょう!!
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第276号 民法 第349条 (契約による質物の処分の禁止)
この民法349条は、弁済期前のいわゆる流質契約を締結することを禁止している条文です。
その趣旨は、経済的に優位な立場にある質権者が、債務者の困難な状態に付け入って暴利をむさぼらないようにするためです。
例えば、みなさんが、1000万円相当のベンツを持っていたとします。
2日後に、どうしても事業資金として100万円が必要になりましたが、キャッシュがなかったとします。
そこで、ベンツを質入して100万円を借りました。
しかし、弁済期に返済することができなくなりました。
この場合、弁済期前に、「弁済期に返済できなかった場合は、直ちにベンツの所有権は質屋さんに移転する」というような契約があった場合、弁済期を経過した時点で、ベンツの所有権は、質屋さんに移転することになります。
このような契約を一般的に流質契約といいます。
第275号 民法 第348条 (転質)
この民法348条は、転質を認めている規定です。
転質というのは、簡単に言うと、質権者が、さらに質物を他の債権者に対して、質入することです。
転質には、承諾転質と責任転質というものがあります。
承諾転質というのは、質権設定者の承諾を得て、転質を設定することで、責任転質というのは、質権設定者の承諾を得ずに、自分の責任で転質をすることです。
承諾転質の場合は、質権設定者が承諾しているのですから、あまり問題は起きないのですが、責任転質の場合は、質権設定者の承諾がないためいろいろ問題があります。
いつもの具体例で言うと、例えば、みなさんが、ロレックスの腕時計を質入して5万円を借りたとします。
第274号 民法 第347条 (質物の留置)
質権には、留置的効力があるということは、今までにも何回か解説してきたと思います。
そのことを規定した条文です。
いつも具体例で解説しているように、みなさんがロレックスの腕時計を質屋さんに持っていって5万円を借りたとします。
その場合、みなさんは5万円を返さなければ、ロレックスの腕時計を返してもらえないわけです。
だから、必死になって返済しようと努力するわけです。
反対に、質屋さんからすれば、ロレックスの腕時計を留置することによって、債務の弁済を促すことができるわけです。
これが留置的効力です。
第273号 民法 第346条 (質権の被担保債権の範囲)
この民法346は、質権によって担保される被担保債権の範囲を規定した条文です。
質権の被担保債権の範囲は、後に解説する抵当権の被担保債権と比べると分かりやすいのですが非常に広くなっています。
その理由は、質権と抵当権の本質に違いがあるからです。
抵当権というのは、土地や家などの不動産に設定することが多いのですが、1番抵当権、2番抵当権、3番抵当権というように、一つの不動産に対して、重ねていくつもの抵当権を設定することができるのです。
つまり、先順位の抵当権者が、無制限に優先弁済を受けると、後順位抵当権者の利益が害される可能性があるわけです。
ですから、抵当権は、担保される被担保債権の範囲が狭くなっているのです。
第272号 民法 第345条 (質権設定者による代理占有の禁止)
みなさん、おはようございます。今日は、民法345条の解説です。
民法345条は、知識としても重要ですし、趣旨から考えるという意味でも重要な条文です。
前回は、資格受験生のコミュニティサイトについての紹介をさせていただきました。
まだ、参加されていない方もぜひ参加してくださいね。
登録者だけしか参加できないフォーラムなどもたくさんありますし、うまく活用して、志を同じくする仲間を増やしてください。
↓資格コミュニティ
https://www.shikaku-king.com/community/
それでは、さっそくはじめていきましょう!!
第271号 お知らせ!!
みなさん、こんばんは。世間は3連休です。
そして、私の住んでいる京都は、雨の中祇園祭りでにぎわっています。
さて、今日は、民法の条文の解説ではなく、お知らせがございます。
がっかりした方もいるかもしれませんが、かなり大事な話ですので、特別号という感じで発行させていただきます。
実は、前からやろうと思っていたことなのですが、このメルマガの読者様や資格受験生のコミュニティの場を作りたいと思っていました
自由に質問ができたり、同じ目的を持っている者同士で、議論したりできる場所です。
受験に限らず勉強するというのは、孤独でつらいものがあります。
特に、地方で勉強されている方などは、なかなか友達を作ることが難しくて、孤独に勉強されています。
いろんな情報も入ってこないので、いろんな意味できついものがあるのです。
そこで、コミュニケーションの場を作りました。
第270号 民法 第344条 (質権の設定)
この条文は、質権の要物契約性を規定した条文です。
要物契約という意味はわかるでしょうか??
わからない概念を理解するためには、反対の概念と比較するのが有効です。
要物契約の反対概念にあたるのは、諾成契約です。
要物契約というのは、「契約の成立に、当事者の合意だけでなく目的物の引き渡しなどの給付を必要とする契約」と定義されています。
そして、諾成契約は、その反対で、「当事者の合意だけで成立し、目的物の引き渡しなどの給付を必要としない契約」と定義されています。
質権は、要物契約ですので、質権を設定するという当事者の合意だけでは成立せず、物の引渡しがあってはじめて成立することになります。
第269号 民法 第343条 (質権の目的)
譲渡することができない物について質権を設定することはできないと規定しています。
では、譲渡することができない物とはどんなものがあるのでしょうか?
まず、動産については、模造通貨や、毒物・劇物などのいわゆる禁制品がこれにあたります。
あと国債も特別法で譲渡が禁止されています。
次に、不動産ですが、不動産に関しては譲渡することができない物というのは考えることができません。
そして、債権や財産権については、譲渡や処分について一定の者の同意などが必要とされているものがこれにあたります。
例えば、永小作権について特別の定めがある場合などです。
第268号 民法 第342条 (質権の内容)
前回で、先取特権の解説は終わり、今日から質権の解説に入ります。
それから、1点お知らせがあります。
このメルマガは、今までのバックナンバーを公開していますが、そのバックナンバーを携帯電話でも見ることができるようにしました。
携帯電話だといつでも、どこでも時間がある時に活用することができるので、便利かと思います。
サイトにQRコードがありますので、それを取り込んでいただければ、直接アクセスすることもできます。
↓PC用のURL
https://www.mainiti3-back.com/
↓携帯用のURL
https://www.mainiti3-back.com/mt/mt4i.cgi
第267号 民法 第341条 (抵当権に関する規定についての準用)
この341条のような条文を一般的に準用条文と言うのですが、この準用条文が法律をややこしく感じさせる一つの原因かもしれません。
特に、会社法などは準用がほんとに多くて、わけがわからなくなることがよくあります。
ただ、この準用条文をマスターすることができれば、その法律はマスターしたのと同じと言っても過言でありません。
なぜなら、法律全体の体系を理解していないと準用を使いこなすことができないからです。
さて、341条は、抵当権の規定を準用すると規定しています。
具体的には、370条や371条、375条などが準用されます。
第266号 民法 第340条 (不動産売買の先取特権の登記)
さて、どうでしょうか?
今までに解説してきた、不動産保存の先取特権の登記、不動産工事の先取特権の工事と同じ趣旨の条文です。
340条は、不動産売買の先取特権の登記についての規定です。
趣旨は、同じですので特に解説することはありません。
分からないという方や、忘れたという方は、バックナンバーで確認しておいてください。
さて、不動産先取特権についての登記について解説してきましたが、まとめておきたいと思います。
不動産保存の先取特権 → 保存行為後直ちに
不動産工事の先取特権 → 工事を始める前に
不動産売買の先取特権 → 売買契約と同時に
第265号 民法 第339条 (登記をした不動産保存、工事の先取特権)
みなさん、こんばんは。
楽天ブックスで、大量にWeb関連の本とビジネス関連の本、組織作りに関する本を買いました。
読書漬けの毎日を送っています。
自分の専門外の知識を入れる時には、多読がおすすめです。ザーッと読みながら、自分に必要な部分だけ詳しく読むのが効率的です。
知識は、できるだけ広いジャンルに関して持っている方が絶対にいいと思いますので、ぜひ多読を試してみてください。
で、多読をする時に役に立つのが、速読です。ホリエモンは、大量の雑誌を読むのを一つの仕事にしていたようですが、雑誌を前と後ろから同時にめくりながら読むという技術を身につけていたそうです(^―^)
第264号 民法 第338条 (不動産工事の先取特権の登記)
短い条文ですが、冒頭でも申し上げたように、非常に重要な条文です。
民法338条は、不動産工事の先取特権についての規定です。
前回は、不動産保存の先取特権でしたが、趣旨はほとんど同じです。
ほとんどというより、全く同じですので、特に解説することはありません。
すなわち、同一の不動産に対して、抵当権と不動産工事の先取特権が競合した場合、不動産工事の先取特権が抵当権に対して優先するのです。
これは抵当権者からしたら、たまったものではありません。
第263号 民法 第337条 (不動産保存の先取特権の登記)
みなさん、おはようございます。
今日は、民法337条の解説です。
この条文は、先取特権の中でも、重要な条文で、特に司法書士試験では絶対におさえておかなければならない条文です。
司法試験や、行政書士試験、宅建試験などでも結論くらいは聞かれる可能性がありますので、結論だけはおさえておいてください。
結論だけおぼえると簡単に言っていますが、全部集めると膨大な量になるんですよね。
これを覚えるだけでもほんとに大変です。
ただ、記憶するには、ちょっとしたコツがあります。そのコツを知っているかどうかで効率が全く変わってきます。
以前に紹介した、フィッシュボーンやマインドマップなどを使うのもいいです。
第262号 民法 第335条 (一般の先取特権の効力)
冒頭でも申し上げましたが、特に解説というものはありません。
条文に書いてある内容そのままというだけです。
335条は、一般の先取特権の効力について規定しています。
要するに、一般の先取特権が成立している場合に、具体的に、どのように先取特権を行使できるのかということが規定されています。
例えば、1項では、不動産以外から弁済を受けて、その後に不動産から弁済を受ける必要があるとか。
これは、おそらく債務者を保護するための規定でしょう。
みなさんも、自分が債務者の立場になったと想像してみてください。
第261号 民法 第334条 (先取特権と動産質権との競合)
みなさん、こんばんは。
今日は、民法334条の解説です。
今日の条文も少し重要性の高い条文ですが、特に内容はないので、覚えてしまってください。
少し話はそれますが、ゲーム市場がにぎわっていますね。WiiやDSが絶好調です。
インターネットを使ったオンラインゲームもおもしろいです。私も、リネージュ2などをやっています。
オンラインゲームは、インターネットを通じて、インターネット上の仲間と戦ったり、協力し合ったりとコンピュータではなく人と楽しむことができるのでおもしろいですよね。
それはいいとして、さっそくはじめていきましょう。
第260号 民法 第333条 (先取特権と第三取得者)
みなさん、こんばんは。
今日は、民法333条を解説します。
民法333条は、先取特権の中では重要な条文の一つですので、しっかりと理解してくださいね。
さて、少し話しは変わりますが、このメルマガの読者の中には専業の受験生である方も多いと思います。
受験生の大きな悩みの一つに「金と時間」の関係があると思います。
金を稼ごうと思えば、時間がとられてしまうし、時間をとられてしまうと勉強に支障が出ます。
インターネットを利用して、小遣い程度の収入を得ることができることは、最近ではテレビなどでやっていて有名な話だと思います。
第259号 民法331条と332条の解説
みなさん、こんばんは。
今日は、民法331条と332条の解説をしたいと思います。
2つとも前回解説した条文と同じように、先取特権の順位について規定している条文ですので、それほど解説することがないので、まとめて紹介します。
少し話しは変わりますが、私は格闘技が好きなので、よく勉強と格闘技を比較して考えてみることが多いです。
いろいろと考えてみると、格闘技と勉強ってかなり似ている部分が多いと思います。
基礎の反復が大事だとか、精神的な強さが大事だとか。
PRIDEという格闘技がありますが、そこにノゲイラという選手がいます。
第258号 民法 第330条(動産の先取特権の順位)
みなさん、こんばんは。
今日は、民法330条の解説をしたいと思います。
今日も、先取特権の解説です。先取特権は、実はあまりおもしろくありません。
なにがおもしろくないかと言うと、条文に書いてあることそのままだからです。
要するに覚えてしまえば終わりという面が多いのです。
もう少しで、終わりますので退屈かもしれませんが、我慢してください。
さて、今はまっている本があります。
それは、羽生喜治さんの「決断力」という本です。
第257号 民法 第329条 (一般の先取特権の順位)
この329条は、特に1項が重要です。2項に関してはよくわかりません。
2項について詳しく解説してある本がなかったんですよ。
しかも、いろんな法律系の試験を調べてみたけど、出題されたことはたぶんありません。
要するに、あまりにも細かい条文だし、重要性も低いのです。
ですから、2項に関しては読むだけ読んでそれでいいと思います。
さて、1項の解説です。
1項は、一般の先取特権の順位について規定しています。
第256号 民法326条〜民法328条
みなさん、こんばんは。
今日は、民法326条から民法328条までの解説です。
3つの条文をまとめて解説しますが、内容は簡単なので安心してください。
さて、みなさんは、マインドマップという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
フィッシュボーンとも呼びます。
真ん中にある言葉から、どんどん線が伸びて、いろんな言葉が書いてあって落書きみたいなやつです。
魚の骨のような形にも見えるのでフィッシュボーンとも呼びます。
このマインドマップですが、ほんとに見た目は、子供の落書きみたいなんです。
しかし、実際にいざ書いてみると、なにか物事を整理するのにかなり使えるんです。
第255号 民法 第325条 (不動産の先取特権)
みなさん、こんばんは。
今日は、民法325条の解説です。
今日から、不動産先取特権の解説に入ります。
さて、今はゴールデンウィークですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
ゆっくりされている方や遊びに行かれている方、仕事をされている方などいろいろかと思います。
世間は休みですが、何か目標があるのであれば、ゆっくり休んでいるわけにはいきませんよね。
何か結果をだそうと思えば、人とどこかで差をつけないとダメなんです。
人が休んでいる時に、一緒に休んでいては差をつけることはできません。
第254号 民法319条〜民法324条の解説
みなさん、こんばんは。
今日は、民法319条から民法324条までをまとめて解説します。
特に解説することがないので、このあたりはどんどん先に進みます。
ほんとに細かい条文ですから、気にする必要は全くありません。一度、条文に目を通してそれで理解できればいいですし、分からなければそれでもかまいません。
まんべんなく勉強するのは効率が悪いのです。メリハリをつけて優先順位の高いものをしっかりと理解することに時間をかけた方がいいです。
そういう勉強のやり方っていうのは、ほんとに大事なんです。
勉強というとすぐに根性論というか精神論に走ってしまいがちですが、それだけではあまりにも効率が悪いのです。
第253号 民法 第315条〜317条
さて、どうでしょうか?
先取特権の個別的な場面について規定している条文で、重要性も低いので、さらっと読み流してください。
ただ、316条については、司法書士試験には出題されているので、知識として抑えておいた方がいいかとは思います。
不動産の賃貸借がなされた場合、賃貸人に先取特権が成立します(311条1号)。
賃借人が敷金を入れている場合は、家賃の滞納があったとしても、敷金で足りない部分についてしか先取特権が成立しません。
先取特権は、法定担保物権で、強力な権利ですから、真に担保の必要がある部分にのみ先取特権を成立させるのが公平だからです。
第252号 民法313条〜民法314条
みなさん、こんばんは。
かなり久しぶりの発行になってしまいました。というのも、私が住んでいる京都でも統一地方選挙がありまして、友達が立候補したので、ずーっと張り付いて応援していたのです。
今日から、気を取り直していこうと思います。
さて、ずーっと先取特権の解説が続いております。
今日は、民法313条と314条の解説になります。ただ、この条文も先取特権の趣旨が分かっていれば、特に解説することはありませんので、さらっと流していこうと思います。
先取特権の趣旨を忘れたという方や、最近メルマガに登録された方はバックナンバーで確認しておいてください。
それでは、はじめて行きましょう!
第251号 民法 第312条 (不動産賃貸の先取特権)
みなさん、こんばんは。
少し時間が空いてしまいまして、久しぶりに発行になってしまいました。
今日は、民法312条の解説です。
今日も、引き続き先取特権の具体的な内容の条文です。
ただ、先取特権の趣旨が分かっていれば、条文を読めばすぐに理解することができると思いますので、簡単な解説だけになります。
先取特権の趣旨を忘れたという方や、最近メルマガに登録された方はバックナンバーで確認しておいてください。
それでは、はじめて行きましょう!
第250号 民法 第311条 (動産の先取特権)
今までは、一般の先取特権の解説をしてきました。
先取特権には、3種類ありましたよね。
一般の先取特権、動産の先取特権、不動産の先取特権の3つです。
この民法311条は、動産の先取特権についての規定です。
ただ、先取特権の趣旨は同じですので、動産の先取特権についても特に解説することはありません。
1点だけ注意が必要なのは、一般先取特権の場合には、債務者の総財産の上に先取特権が成立するのに対し、動産の先取特権については、特定の動産の上についてしか成立しないということです。
第249号 民法 第310条 (日用供給品の先取特権)
これは、前回解説した、葬式の費用に関する先取特権と同じ趣旨の規定です。
趣旨が同じなので、考えればわかると思いますので、特に解説することはありません。
日用品を買うことができなければ、生活をすることができなくなりますので、日用品の購入をしやすくするように政策的に規定されたものです。
表面的に理解するだけではなく、前回の解説を読んで、趣旨から考えてみてくださいね。
こういう簡単な条文の間に、バックナンバーで今までの条文を復習しておいてください。
第248号 民法 第309条 (葬式費用の先取特権)
これも、以前に解説をしました。
葬式をするというのは、私たちの伝統的な文化です。
その伝統を尊重して、できる限り、葬式を開くことができるように、認められた政策的な規定です。
葬式の費用については、先取特権が成立し、優先的に弁済を受けることができるので、葬式をすることが容易になるということです。
第247号 民法 第308条 (雇用関係の先取特権)
これは、以前にも解説しましたよね。
会社の従業員の方は、給料だけで生活していることが多いわけです。
もし、会社が倒産してしまって、給料が全くもらえないという事態が生じれば、たちまち生活に困ることになります。
ですから、会社の従業員の会社に対する給料債権については、優先的に弁済を受けることができるように、先取特権が認められているわけです。
第246号 民法 第307条 (共益費用の先取特権)
共益の費用については、先取特権が成立します。
共益の費用というのは、各債権者の共同の利益のために使われた費用のことを言います。
ただ、これだけではあいまいでよくわかりませんよね。
一番の典型例が詐害行為取消権を行使した際にかかった費用がこれにあたるのです。
ということで、詐害行為取消権について簡単な説明をします。
第245号 民法 第306条 (一般の先取特権)
さて、先取特権の解説に入っております。
先取特権と言っても、3種類あります。
一つ目が、この一般先取特権、二つ目が、動産の先取特権、三つ目が不動産の先取特権です。
まずは、一般の先取特権です。
一般の先取特権は、債務者の総財産の上に成立します。つまり、先取特権を有する者は債務者の全ての財産に対してかかっていくことができるということです。
これは、強い権利ですよね。
第244号 司法試験 昭和57年度第71問 解説
それでは、さっそく前回の問題の解説をします。
今回が初めてという方のために、問題をもう一度確認しておきましょう。
〜司法試験 昭和57年度第71問〜
甲は、乙からその所有の建設機械を賃借したが、故障していたため、丙にその修理を依頼し、丙は、自己の工場でその修理をした。この場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1、甲は、丙に修理代金を支払ったときは、乙に対して修理代金相当額の支払いを求めることができる。
第243号 民法 第305条 (先取特権の不可分性)
296条というのは、留置権の不可分性の規定です。
不可分性というのは、担保物権全般について認められる性質です。
つまり、債務の全部の弁済を受けるまでは、先取特権は消滅しないということです。
296条の部分で解説したので、バックナンバーで確認しておいてください。
さて、それでは、冒頭に言いましたとおり、昭和57年度第71問の司法試験の問題を解いてみましょう。
第242号 民法 第304条 (物上代位)
さて、どうでしょうか?
タイトルが物上代位という難しい名前です。
そして、タイトルのとおり内容も本当に難しい条文です。
さきほども言いましたが深入りすると、ほんとに先に進めないので、これも本質だけをしっかりと理解していただければそれで十分かと思います。
第241号 民法 第303条 (先取特権の内容)
先取特権も担保物権のひとつです。つまり、自己の債権を他の債権に優先して回収することができる権利です。
担保物権というのは、債権者平等の原則の例外をなす規定なのです。
たとえば、甲さんという債務者がいて、12000万円の土地を有していたとします。
そして、甲さんに対する債権者として、2000万円の債権を有するAさん、4000万円の債権を有するBさんがいたとします。
そして、甲さんは、1200万円の土地以外に何も財産がなかったとします。
この場合、AさんとBさんは、債権額に応じて平等に債権を回収することができます。
第240号 民法 第302条 (占有の喪失による留置権の消滅)
条文を読んだそのままです。
なぜ、留置物の占有を失うと留置権は消滅するのでしょうか?
形式的な理由としては、留置権の成立要件を欠くからです。
ここで、もう一度留置権の成立要件を確認しましょう。
〜留置権の成立要件〜
1、債権と物との牽連性(「その物に関して生じた債権を有する」)
2、債権が弁済期にあること
3、留置権者が他人の物を占有していること
4、占有が不法行為によって始まったものでないこと(2項)
この4つの要件をすべて充たした時に、留置権は成立します。
第239号 民法 第301条 担保の供与による留置権の消滅
さきほども言いましたが、内容は何も難しくありません。
条文を読めばすぐに理解することができます。
大事なことは、なぜ、このような担保の供与による留置権の消滅が認められているのかということです。
それは、留置権が法定担保物権だからです。
これと同じような考え方は、実は以前にもしています。
民法299条2項但し書きの部分です。
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